帰り道、何をどうして帰ってきたかあやふやだ
なぜか心配そうな仗助の顔だけはやけに覚えている
アタシはアパートに入るや否や靴を脱ぎベッドに身を沈めた
普段ならうるさいジョジョ達もやけに静かで、少し心地悪い
ため息をつき、腕で目を隠しながら想いにふけた
反論はできなかった
せっかく優等生モードで過ごそうと思ったのに、これもディオのせいだ…
また色々考えると顔が熱くなる
紛らわす為にベッドをぶん殴ったが気持ちは変わらない
いつのまにか隣でベッドに横たわっている徐倫にそう言いつつも
のそのそとうつ伏せになり、いわゆる修学旅行の恋バナ雰囲気になる
そう語らい出した徐倫
秒針はすっかり真上を指していて、でもみんな話に夢中だ
いつの間にか仗助とジョセフ達も混じっている
口は挟まないが、承太郎とジョルノとジョナサンもしっかり傾聴している事だろう
不意打ちの質問にまた顔に熱が伝うのがわかる
でも、徐倫は教えてくれたし…
枕で顔を半分隠しながらポツポツと話す
一度口を閉ざす
言っても仕方がない、別の話題に切り替えよう
あぁ、懐かしい
よく二人で楽器を弾いていたものだ
アタシは得意のヴァイオリン、ディオは他のも出来るのになぜかピアノ
初めて声を上げたジョルノ
なんだか乗り気になって来た
生意気な笑みを浮かべるのが常の彼だ
きっと「俺様の美学だ」とか「お前の調律が不安なんだ」なんて、皮肉まじりに返されると思っていた
だが、ディオは弾いていた指を止めると、珍しく真っ直ぐにアタシの瞳を見つめた
その表情にはいつもの傲慢さはなく、ただ静かな熱だけが宿っていた
ふっと唇を歪ませて、彼はどこか照れくさそうに、しかし断固とした響きで続けた
彼は不敵に、笑った
心臓が大きく跳ねた
言葉の端々からこぼれ落ちる独占欲と、アタシに対する絶対的な信頼
ディオは再び鍵盤に視線を戻すと、余裕を取り戻したような、それでいてどこか甘やかな笑みを浮かべていた
両手で抱えていた枕を、ジョセフに向かって豪速球で投げつけた
反応できなかったのか顔面に受けたジョセフはそなまま倒れ込んだ
思いっきりベッドに顔を叩きつけるが、バネの反動でマットが軋むだけだった
髪の毛を掻きむしりたくなったが、余計に虚無感を加速させるだけだろう
やけに承太郎もノリノリだ
いやノリノリかはわからないけど、少なくとも話にはついて来ててる
ベッドから顔を上げてあの時のことを思い出す
泣きたくなった
同じようにベッドで横たわってる徐倫に抱きつく
泣きそうになりながらも、アタシは
言葉を重ねた












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!