💙side
その優しい笑顔が眩しく、まるで時間が止まったかのように目が離せなくなる。
涼太が楽屋から出ると我に返った。
俺の涼太に対する気持ちは今までと比べて変わった。
でも涼太は何も変わらず、俺に対してはいつも通り接している。
俺がこんな気持ちになっても、涼太はその変化に気づいてはなさそうで、このように何気なく俺に頼ったり冗談を言ったりしている。
気づいてほしいのかほしくないのか、自分でも分からない。
俺を心配してくれるような何気ない一言を思い出し、胸が締め付けられる。
涼太は何も気づいていないけど、俺にとってはその一言が特別に感じるし、それが涼太にとって「普通」であることで少しずつ心が痛む瞬間でもある。
この日、音楽番組のリハーサルの合間にみんなで少し休憩を取ることになった。
涼太はいつも通り他のメンバーと話していたけど、やっぱり胸が少し痛くなるような変な気持ちだ。
あ、佐久間あっち行った。
やっぱかわいいなラウールは(*^^*)
最近ラウとはこのドラマの話で盛り上がることが多い。
プルルル、プルルル…
ラウはスマホを持って廊下に出ていった。
すると、スマホをいじってた涼太は俺の隣に座った。
その瞬間、自分の中の何かが変わった気がした。
涼太がスマホを差し出してきた。
無邪気に笑いながら、なんでもない話をしてくる。
その声が、なんだか耳に心地よくて、俺は無意識に彼の肩に寄りかかってしまった。
その瞬間、涼太が俺の方を見て、少し目を見開いた。
俺は自分がやったことを自覚すると、急に顔が熱くなったのを感じて慌てて距離を取ろうとしたけれど、涼太はさりげなく俺の肩に手を置いて、もう一度スマホを向けてきた。
その優しさが、予想以上に胸をドキドキさせてきた。
涼太の手の温かさが直接伝わってきて、思わず顔を背ける。
その言葉を口にした瞬間、涼太が少しだけ微笑んでまた無邪気にスマホを操作し始めた。
俺はその姿を見てまた、心が締め付けられるような気持ちになった。
この気持ちは何回も感じてるけど、なかなか慣れない。
しかも、日に日に想いが強くなってる気がする。
今はグループのメンバーとして、なにより『幼馴染』として一緒に過ごしてきたけど、俺がこの気持ちを抑えられなくなってしまったらその関係が崩れてしまうかもしれない。
その時、ふと思った。
…少しの間、涼太から離れたほうがいいのかな?
リハーサルを再開したときから距離を取ろうとしたが。
自分にとって彼の存在が大きすぎて、気持ちから逃げることができなかった。
遠くからその彼を見つめてしまう。
このまま崩れてしまうのだろうか。
もう、俺たちの関係が仲のいい『幼馴染』ではなくなってしまうのだろうか。
どうしたらいいのか分からず、変な焦りからかこの日はさっさと家に帰った。

















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。