第6話

記憶が無くなっていく魔法
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2025/06/23 22:57 更新
創作魔法
シェレム
付き合ってる
悲壮
モブ出てくる
レム記憶失う
「フォレノワール」

「サンダーストーム!」

俺達は今、魔物を一緒に退治している。
俺は闇だし、コイツは光の魔導師だ。全くの正反対を生きてる
じゃあ何故。
それは、俺達は付き合っているからだ
付き合うきっかけは、俺が「お前が欲しい」…とコイツに告白したから
コイツは可笑しそうに笑って「本気だね」って、俺の告白に答えた
それからコイツと俺はよく一緒に居るようになった
十分に楽しいし、これからもずっと続くものだと
この時は思っていた

「×××!!」

「…わっ」

「ッオイ!大丈夫か?」

コイツ、今の攻撃をもろに食らったな
衝撃で後ろに飛ばされてレムレスはしりもちをついていた

「…うん、大丈夫だね…何故か」

頭に当たった様な気もするが…本当か?
目立った外傷も無いし、何らかの魔術か…?
取り敢えずアレを倒せば解決するだろう

「早めにカタを着けるぞ」

「…うん。魔術も使えるな…」

いつも持っている杖を叩いたりして、不思議そうに見ている
…可愛いな

「外見も何も変わってないぞ…ホントに食らったのか?」

「食らった感触はあるんだけど、失敗でもしたのかな」

「だと良いな。…アレイアードスペシャル!」

俺の出せる最大の魔法で敵を倒す
流石に敵もこれを食らえば動けないだろう

「…倒せたね」

「そうだな、帰るか」

「うん。今回は役に立たなかったなぁ」

「魔術食らってたしな…分析でも使うか?」

「ん~、そうだね。お願いするよ」

レムレスに分析魔法を使ってみる
体は特に異常はない。頭部は…

「…記憶喪失?」

危険度やスピードは低いがいつまでなのかは分からない

「お前、記憶喪失ってあるぞ」

「それが食らった魔術かな?ん~。でも、忘れてることなんて無いけど…」

「自分じゃ分からんだろ」

首をかしげて考えている

「そっか。でもシェゾの事や自分の事、あとお菓子の事も覚えてる。それだけで生きていけるけど」

さらっと嬉しい様な事を言ってくるな、コイツ
…あざとい

「魔術の解き方は?」

「残念だけど、分からないね。いつまで付いてるのかも分からないし」

「…お前はそれで良いのか?」

「…別に?僕は忘れたことは忘れるわけだし、困らないよ」

「…そうか」

数日後

「ふふ~」

「…珍しいな、お前がレシピを見ながらの料理なんて。…何を作るんだ?」

「これだよ」

開いていたレシピ本を指差す

「…チャー、ハン…?」

「うん」

「お前それ、昔作らなかったか?」

「…初めてじゃなかったら、きっとレシピは見ないよ」

「…忘れたのか?お前が俺の作ったケーキを食ったお詫びにと、お菓子と一緒にチャーハンを振る舞った事を!」

「…お菓子と一緒にチャーハンを?」

「ああ、お前らしい独特なセンスで印象に残っている」

「…そんなことあったかな」

「…」

更に数日後

「んー…」

ぷよ勝負をしても俺が全て勝ってしまう
俺が強くなったのか。いや、悲しいことにそうではない

「どうした?最近魔術のキレがないな」

「うん。ちょっとね…」

どうやら、魔術の呪文を忘れてしまったらしかった

数日後
レムレスは俺のよくいる洞窟に来なくなった
だから久々に俺から出向くことにした

「レムレス先輩なら、今公園に居るワ…」

「…そうか。」

俺は公園に行った。
案の定レムレスは居た。いつも通りの顔をして

「久しぶりだな。彗星の魔導師」

「こ・ん・に・ち・は~。シェゾ。確かに久しぶりだね」

「どうして俺の洞窟に来なくなったんだ?」

「…最近忙しくてね」

「俺の洞窟、忘れたのか?」

「元から知らないはず。忘れ、たのかな…」

「…今から来てくれ、案内するから」

俺は耐えられなかった
コイツがいずれ、俺の事を忘れてしまうのを


「凄い提案だと思うが…お前の事、監禁させてくれないか」

「え?」

「嫌なんだ…!お前がいずれ、自分の家や大事な事も忘れてしまう事がッ」

「…やっぱり、僕は沢山忘れていってるんだね」

訊けば、コイツは最近から日記をつけはじめているらしい
昨日作った料理のレシピも忘れるので、覚えておける様に

「シェゾとか、クルークとか、人の事は憶えてるけどね。場所とか土地勘はさっぱり分からないよ」

「…それって、自分の家もか?」

「…そうだよ。元々自分の家は嫌いだから良いんだけど」

「それは…重症だな」

「シェゾが世話をしてくれるなら、ここで暮らしてもいいね」

「あぁ、飯も作る。頼むから居てくれ」

魔術はまだ切れない

監禁(鍵とかはついてない)から数日後

「飯だ。食うぞ」

「うん。ちょっと待ってね」

日記を書いているみたいだ。

「…こんな形で同棲するとは思わなかったな」

「確かにね~」

ちょっとした事で笑えるのが何よりも嬉しかった
レムレスは忘れている以外はいつも通りの笑顔でいつも通りな返事を返す
まだ俺の事を覚えている。
忘れないうちに何か手を討たなければ…!

そんな期待もすぐに打ち砕かれる
数日後にレムレスは喋り方を忘れ、更に数日経つと体の動かし方も忘れてしまった
愛する人に使う表現じゃないが、まるで生きる屍だ

「レムレス…」

「…」

俺がコイツの顔を覗いて話しかける
生活においての基本的な事を忘れても尚、俺の事は分かるみたいで、レムレスの表情が本能的ににこやかになる…
俺はどうしたら良い?
次にお前は何を失う?
お前にはあと、何が残ってる?
…ふと、レムレスの日記が目に入る。
ページが開けていたので、1ページ読んでみた

<
闇の魔導師、シェゾへ
ごめんね
明日か明後日にはきっと、文字が分からなくなるだろうから、日記はこれで最後かな
君に会えて、僕は凄く幸せだった
ちゃんと言えてなかったけど、シェゾの事好きだよ
この感情だけは、忘れなかったんだ~
最後に、君にお願いしたいことがある

"レムレスを殺して欲しい"

わがまま言ってごめんね
でも終わらせて欲しいんだ
シェゾの寂しそうな、悲しい表情を見るのは何よりも辛いよ…
僕の事は忘れて、自由になってね
>

俺は泣くしかなかった
でも、やらなければ
それがコイツの望みなら…

「俺は…ッ闇の、魔…導師、だ。"光"…を、倒す…ッ」

無抵抗なレムレスの首を剣で切る

「俺は…こんなに辛いなら、お前なんかに出逢わなきゃ良かった!」

俺は暫くそこから動けなかった

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