数日後、琴吹桔梗との婚約、結構が公表され桔梗は正式に蘭家の者となった。
桔梗の両親は涙を流して喜んだ。
だがそれが瑞螺には桔梗の幸せを喜んでいると言うよりかは蘭とのつながりができたことに対して喜んでいるように見えた。
瑞螺はそんな空気が嫌で、屋敷で喜んでいる桔梗の両親達を残して1人で外に散歩に出ていた。
するとふと後ろから声をかけられた。
そこには金色の瞳と黒い髪をした少女が立っていた。桔梗にも引けを取らない美しさのある女の子だ。
少女は白いワンピースに麦わら帽子を被っていた。
だがその服装はこの時代では下着も同然、瑞螺は赤面してそっぽ向いた。
瑞螺は自分の羽織っていた上着を少女に着せた。
少女はキョトンとしてから納得したような表情をした。
まるで異国から来たかのような少女は瑞螺の上着にくるまっててへっと笑った。
とても可愛らしい笑顔で思わず目を奪われる。
心の中で叱咤しているとふと少女が口を開いた。
瑞螺がそう言うと少女はクスクスと笑った。
すると少女は瑞螺の左手を見ていた。
包帯で隠してある華の痣のある左手を。
思わず瑞螺は身構える。
この痣を知る人間はごく少数。今、確実に少女はこの痣のことを言った。
少女はそう言ってにこりと笑うが瑞螺の警戒は解けない。
やれやれと言わんばかりの少女の表情は、見た目の年齢と似合っていなかった。
瑞螺はそう言って少女に背を向けて歩き出す。
少女はトコトコと後ろをついて歩いた。
カゲはそう言って微笑んだ。
そのまま瑞螺は本家へその少女を連れてゆくとそれを見た桔梗の両親が驚愕した。
すると奥から拓瑠がでてきた。
拓瑠はカゲを見ると目を見開きそのままカゲを客間に連れていった。
まだ不安そうにしている桔梗を瑞螺が何度も説得する。
瑞螺がそう言うと部屋の扉が開かれた。
そこには拓瑠とカゲが立っている。
拓瑠の衝撃の一言に瑞螺は驚きの表情をした。
驚いて絶叫をあげてる瑞螺の横で桔梗は静かにカゲを睨んでいた。
カゲはそんな桔梗を見てニヤリと笑った。
その目は金色に怪しく光っていた……。
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!