第2話

癒しの笑顔
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2026/02/24 06:46 更新
仕事が終わって帰宅中。
電車に揺られている私の顔がガラスに映っている。
自分が可哀想なくらい魂が抜かれた様な顔をしている。

今日に限って残業って!
癒されにあのカフェに行きたかったのに…っ
そもそもあのダメ上司がミスらなければ順調に進んだ案件でしょ!?
(なまえ)
あなた
あーーーー
癒しがほしい…
kne
kne
あなたの名字さん?
(なまえ)
あなた
やっばー幻聴がするわ
kneさんの声がする
クスクスと聞こえた気がする。
幻聴だと思うけどそっちを見ると
(なまえ)
あなた
kneさん!?
kne
kne
遅くまで仕事お疲れ様
幻聴じゃないよ
ご、極上の癒し……!!
(なまえ)
あなた
いや、あの独り言で、
疲れのあまり幻聴かと…
苦し紛れの言い訳すぎる…
でも真実なんだよなぁ
kne
kne
すごい偶然だね、あなたの名字さんが見えて驚いたよ
思わず声を掛けちゃったけど、迷惑だったらごめんね
(なまえ)
あなた
迷惑なんて、そんな事ないです
カフェに行けなくて落ち込んでたので嬉しいです
kneさんの優しい言葉に癒される…
迷惑なんてある訳ないのに
kne
kne
良かった
でも僕、次で乗り換えなんだ
(なまえ)
あなた
そうなんですね、
kneさんも遅くまで仕事お疲れ様です
kne
kne
仕事はいつも通り終わったんだけどね
寄り道したらこの時間になっちゃって
優しい話し方が五臓六腑にしみわたる。
一瞬二人きりかと思ったけど周りにはほかの乗客が沢山いる。
疲れてるな、私。
kne
kne
あ、そうだ
良かったらこれ貰って?
店の売れ残りなんだ、気持ち悪かったら捨てていいから
カフェのパンだ!
優しさの塊すぎる…
(なまえ)
あなた
ありがたくいただきます…っ
でも部外者の私が貰って大丈夫ですか?
kne
kne
そう、だから他の人には内緒
微笑みながら口元に人差し指を当てて「しー」のポーズをするkneさん。
かっこいいから可愛いまであるのか、この方は
(なまえ)
あなた
分かりました
絶対に誰にも言いません
kne
kne
あはは
そこまで必死に隠さなくてもkzhさん達スタッフになら問題ないよ
あ、そうなのか。
そういえばあの黒髪のスタッフさんこの前は居なかったな。
kne
kne
僕乗り換えだからここで降りるね
あなたの名字さん気をつけて帰ってね
ぼんやりしてたら電車が止まってた
(なまえ)
あなた
ありがとうございました!
kneさんもお気をつけて、またカフェに伺います!
言い終わると同時に扉が閉まった
kneさんはホームでにっこりと微笑んで手を振ってくれている

私は手を振るのを遠慮して会釈をした
(なまえ)
あなた
うわぁー嬉しいってー
癒しすぎる…
気がついたらダメ上司の事が頭から抜けていた。
カフェに行かなくても得られる癒しってあるんだ…

帰ったら頂いたパンを食べよう。

kneさんの笑顔を思い出して、こぼれる笑みを抑えきれなかった。

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