前回のあらすじ
突然光を浴びて神の転生世界に飛ばされてしまった魔法使いのハルナとルイ。
何か事情を知っている人を探し回るが、突然、神様に攻撃されてしまう。
なんとか対話を試みる2人だが、まるで相手にしてもらえなかった・・・。が。
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ハルナが神様に向けて放った攻撃は、先ほどと変わらないエネルギー弾の攻撃。
だが――先ほどのものとは桁違いに威力が高かった。
神様はハルナの一撃を受け、あっけなく倒れてしまった。
先ほどの威勢のいい神様の姿は全くない。
ハルナとルイの完全勝利である。
2人が倒れた神様を眺めていると、先にルイが口を開いた。
神様が倒れたまま、力なく口を開いた。その言葉は震え、無力感が滲み出ていた。
2人は哀れみの目で、神様を見ている。
ハルナは流石にかわいそうと思ったのか、優しい声で神様に話しかけた。
ハルナはそっと神様の前にしゃがみ込み、目を合わせる。
2人の声は、優しさに溢れていた。
神様が涙を流しながら、2人に質問する。
そのアドバイスを聞いた瞬間・・・神様の顔が、少し柔らかくなったような気がした。
そう言い笑顔になると、ルイが神様に回復の魔法をかけた。神様の体がみるみると綺麗に治っていく。
元気になった神様が立ち上がると、2人の方を向いた。
質問された2人は顔を見合わせ、どこか得意げに口を開いた。
その言葉を神様が聞いた瞬間、驚いた表情を見せた。
ハルナ・アークレイン――
現実世界で魔法があった時代、史上最強の魔法使いとして名を連ねた一人。
この魔法使いの強さは、最強の「攻撃力」「攻撃の精度」「回避力」だ。
これらにおいて、ハルナに勝てる魔法使いは存在しなかった。
まさに、攻撃は最大の防御、とでも言うようなステータスの振れ幅である。
ルイ・アークレイン――
史上最強の魔法使いの名を持っていた一人。
この魔法使いの強さは、最強の「防御力」「近接戦闘力」「治癒力」だ。
もちろん、これらでルイに勝てる魔法使いは存在しない。
逃さぬ距離まで近づき、倒す・・・それが彼女の魔法使いとしての流儀だ。
その強さゆえ、2人は「神殺しの人間」として恐れられていた・・・が。
これにはもう一つ、理由がある。
それは、神に対してとんでもないバフ効果が発生する「神殺しの力」という特性を持っていたから。
神に対して、一番強く戦える人間だ。
ここから先は、姉妹の秘密の話だ。現時点では、聞くことはできないだろう。
話を締めると、ハルナが笑顔で神様に語り掛けた。
そう言われても、ハルナの笑顔は変わらなかった。
2人は準備満タンだ。既に立ち上がり、余裕の準備体操をしている。
詠唱が終わると、眩い光が姉妹の全身を包み込む。
そして次の瞬間、その光は弾けるように広がり、2人の姿を異世界へと運び去った。
転移が終わり、目を覚ますと、見えた景色は深い森の中だった。
ハルナがゆっくりと起き上がった。
無事に異世界に転移できた、と安心したのもつかの間。
後ろから大きな足音が聞こえた。
姉妹が後ろを振り向くとそこには、立てば全長2mにもなる巨大な熊が襲ってきた!
2人が回避行動をとろうとした瞬間、目の前に強烈な風が起こり、熊を空高く打ち上げた。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。