第63話

間に合わなくなる前に
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2021/01/25 10:03



しのあが居ない






その瞬間どこか懐かしい映像が頭の中にながれた






学ランのような服を着た人がいて






縁側で何かを話していた






その屋敷にはたくさんの蝶が飛んでいた






刀……






滅……?






何もかもが見た事のある懐かしい風景だった



??
早く行かないと
??
柱でしょ?
無一郎
だれ?
縁側で話していた人が僕に言った
??
そんなこと言わなくていい、思い出すから。思い出さなかったら大切な人が、大好きな人が死ぬ
だから君は思い出さないといけない
??
早く思い出せ





気持ち悪い耳鳴りの後今まで靄のかかっていた






視界が一気にクリアになった






生々しい死体が転がっていた






不死川先生が玄弥先輩を抱えていた





その奥に視線をやるとしのあが泣き叫んでいた






「待ってるから」






「いつまでも待ってる」





そう繰り返していた



無一郎
行かなきゃ
そうつぶやいて走り出した
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