※男性妊娠表現あります。
※きょもほく、付き合ってます。
大我side
大我「はぁ…!うっ…!いた…!!」
陣痛の感覚が短くなって、もうずっとずっとお腹が痛い。
息もできないくらい苦しい…。
腰も痛くて、ガンガン殴られているかのような痛み。
イキみたいのに、いきんじゃダメって言われて数時間が経つ。
もう、なにもかもがどうでも良くなるくらい痛い。
赤ちゃんに会いたい。
でも痛くて痛くて辛い…。
一人でこの痛みに耐えるのは限界で、涙がポロポロ出てくる。
なんで…北斗は今、俺のそばにいないの?
いつも一緒にいてくれるのに…今日に限って抜けられない仕事だなんて…。
もう涙で顔なんかぐしゃぐしゃで前が見えないくらい。
大我「は…!あっ!また、痛いのきた…!
痛い!痛いよ…!北斗、北斗、ほくとぉ…
助けてぇ…!」
そう叫んだ瞬間、息を切らして汗だくの北斗が俺に駆け寄り、手を強く握った。
北斗「大我!頑張れ!もうすぐで、
俺たちの赤ちゃんに会えるから!」
聞き慣れた北斗の声を聞き、
北斗の顔を見たら、
何故かスーッと痛みが消えた。
あれ?
なんでだ?
まるで魔法みたい…。
医師「はい、京本さん、診察しますね…!
うん、子宮口全開ですね!
よく我慢しましたね。
もう次の陣痛からはいきんでも大丈夫!
赤ちゃん産みましょう!」
医師からそう言われて、北斗の顔を見れば力強く頷いていた。
北斗「大我、遅くなってごめん…!
大我、一人で今まで頑張ったね。
あと少しだから、大我なら乗り越えられる。
その先に、俺たちの幸せが待ってるから!」
大我「うん…!北斗、そばにいて…」
北斗「いるよ!ずっといるから!大我、頑張れ!」
北斗に汗で張り付いた髪を直してもらい、
汗と涙を柔らかなタオルで拭ってもらう。
北斗の手を握りつぶしてしまうくらい強く握り、陣痛が来る度に何度もいきむ。
つらい…!
でも、大丈夫。
俺は一人じゃない。
愛する人と一緒だから。
大丈夫、赤ちゃん…ママ…頑張るから…!
だからお願い、赤ちゃんも頑張って…!
医師「京本さん…!赤ちゃん産まれますよ!
…はい、あと少しだけ…いきんで…!」
・
・
おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ!
部屋中に響く赤ちゃんの産声。
あぁ…幸せの音ってこう言うことを言うんだ。
自然に涙がじわじわと溢れてきた。
そして、愛しい人から感謝の言葉。
北斗「大我…ありがとう。
本当に…ありがとう…俺、俺…」
見れば、北斗が俺以上に泣いていた。
大我「もう…俺より泣いてるじゃん北斗…」
北斗「だって…大我ぁ…」
お互いに泣きながら笑い合う。
そうこうしていると、俺の顔の隣に赤ちゃんが連れて来られた。
あぁ…小さい。
可愛い…なんて幸せなんだ。
うっとりと我が子を見ていると、北斗が俺と赤ちゃんの頬を触りながら口を開いた。
北斗「大我…俺…絶対守るから。
大我と赤ちゃん…絶対に守るからね!」
北斗は、泣きながらもしっかりとした口調でそう言った。
大我「はい…パパ、これからも、よろしくお願いしますね」
幸せはいつもあなたと共に…!
END












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!