…おや
いらっしゃいませ
…ふふ、
まあ、座ってください
…ふぅ、
警戒されてらっしゃいますよね
こんな店ですし、ここに来た方は皆様そう仰いますよ
私でしたら警戒しますし、
私ってちょっとした魔法を使えることを除けば
ただの常識を持った一般人ですから。
そりゃだって、
こんな店を構える魔法の使える人間ですから。
どうでもいいですそんなこと
だって人間は矛盾ばかりですもの
それで、
どのようなご用件でここに?
私は恋愛系が得意なのですが…
んー…
女人ではありませんね?
いいえ、
よく言うではないですか
恋愛に性別は関係ないと
でも人間じゃないですよね
好きな方、人間じゃないですよね
なぜでしょうね
わかってしまうんです
魔法ですよ
職業病です。
知らずの内に弱みを握れるんです。
あなたにとっては弱みですよね。
だって先程も言いました通り、
同姓の恋愛がおかしいと感じる方も多いんですもの。
…ふふ、はい
あぁ、好きになった理由とか、大丈夫ですよ
そこまではいらないので。
依頼内容とどうして欲しいかを簡潔にどうぞ
ふぅん
告白すればいいじゃないですか
ビビリですねぇ…そんな方なんですか?
全く、仕方のない方ですね
いいですが、
覚悟を決めてください。
まず、私が使える魔法は…
人に恋をさせる魔法
ではありません
気持ちを最初からそうだったかのように
私、もしくは他人から他人に移す魔法です。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!