第3話

:3(♡叶)
22
2024/06/28 08:23
「それで、空が~」
萌の恋愛事情(詳しくは第二話にて)が分かり、その日から萌の恋バナばかり聞くようになった。
別に嫌なわけではない。
だけど、何度も何度も同じことの繰り返しで聞き飽きてくる。
「萌!チャイムなるからまた後で聞くね。」
話し出すと止まらない萌のことを促す。
空は私の隣の席。
「おい、叶!教科書見せてや」
「えー、また忘れたの?貸しませーん」
放課後
昨日の課題が返却された。
えっと…おっ、A評価。
「好」
やっぱりこの字が頭の中に残って消えない。
この時代は女の子同士が恋してたのかな。
今じゃ同性愛なんて上手く認められてないよ。
本当にあきれる。
なんで性別で区別されないといけないのか。
不思議でたまらないしなぜか腹が立ってくる。
女の子に恋しようが男の子に恋しようがその人の自由だしその人の勝手ではないか。
それとも子供の問題?少子高齢化とか言うから?
はぁ…ほんとこの世の中って難しい。
「私は同性愛者です。親友のことがすきになりました。」
SNSを見ているとタイミング良くこんな動画が流れてきた。
親友か…じゃあもし私が萌のことを好きになったら…?
萌と私は同性愛者ってことか。
萌は女の子らしくて女の私でも可愛いって思うことがある。優しいし強い。一緒にいて飽きない。安心する。
萌が恋人でも悪くないかな…
って、なにバカなことを考えているんだろう。萌は空が好きなんだから応援しないと。
でも、もし本当にそうなったら…?
翌日
散歩がてらコンビニに寄ろうかな。
ん…?あれ空じゃない…?
「っ…!空ー!」
と叫んだ矢先。空の隣に女の子がいるのが分かった。
えっと…あれは…
「っ…萌?」
え、見間違いじゃないよね?
確かに萌だ。二人の関係って?
「あれ?叶!やほ!」
視線に気づいたのか萌が話しかけてくる。
「あ、やほ。えと、二人ってそういう関係な感じ…?」
「ん…?あ、いや違うよ。たまたまそこで出会ったの。ね?」
「おう。びっくりだよ。まさか3人そろうなんて笑」
空と萌が笑う。
私完璧にお邪魔だな。
「私用事あるからまたね。」
「あ、うん。バイバイ~!」
なぜだろう。
萌が違うよって言った瞬間なぜか、すごくほっとした気がした。
萌を見つけたときなんかちょっと嬉しかった…?っていうかなんだろうこの気持ち。
「まさか…ね」
本当に私が萌のことを好きになるなんてあり得ない。
でもなんで…?
やっぱり私っ
《萌のことが「好き」なんだ。》
気づいてしまった。
こんなに胸が騒ぐ理由に。
あー、そうか、好きなんだ萌のこと。
こんなに安心するのも、会えて嬉しかったのも、可愛いって思うのも全部。
萌が好きだからなんだ。
あとがき
ここまで読んでいただきありがとうございます!いや、やっと叶ちゃん認めましたね。作者とはいえ、いつ叶ちゃんにこの気持ちを認めさせようか悩みました…😓本当は次回気づく予定だったのですがせっかちなもので一話早送りさせていただきました😅好きな気持ちには自分で気づいて欲しい!(叶ちゃんには素直なキャラでいて欲しい)という私の理想で変更しました😏作者のこだわりの場面是非もう一度読み返していただき楽しんで貰えると嬉しいです!

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