医者)もう、手の施しようがないかと、、、
?)そう、ですか。俺っていつ死ぬんですかね?
医者)言い難いですが、、この一週間が山場でしょう
?)そんな暗い顔しないでくださいよ
?)ここまで生きてこれたのは先生のおかげなんです
医者)守ってあげられなくてごめんね
医者)____ くん。
?)せんせ?先生のおかげでねすっごく楽しかったよ
?)悔いもなぁんにもない!
?)お母さんとお父さんにも早く会いたいなぁ
?)あ、ただ恋をしてみたかったかも!!
?)あれ、、おかしいなぁ
?)眠くなってきちゃった
?)い~っぱい寝たのに、、
?)せんせ。なんかずっと寝ちゃいそうだから
?)最後にいい?
?)せんせ。幸せをいっぱいくれてありがとう。
?)せんせ。またねっ
No side
それはそれは安らかに息を引き取った彼。
小さい頃から病弱で治療だって辛かっただろうに
誰よりも明るくて暖かかった。
彼が息を引き取って何年経っただろうか。
彼が生きていたことを証明すべく
今まで彼の病室は使われてこなかった。
そんな病室で彼がいなくなってから初めて
とある青年が入院することになった。
病室にはただひとりなのに
話し声が聞こえると入院当初は話題になっていたが
それも日常と化し、今では話し声が聞こえないと
誰もが不安になるようになった。
青年が生きていないのではないかと。
その青年の話し相手は誰も知らない。
電話してる風でもない。
ただ、すごく楽しそうで
医者には全く笑顔の絵の字も見せないけれど
一人でいる空間ではとても可愛らしい笑顔を
覗かせている。
そんな青年とこの世に居ないはずの彼が出会った
奇跡の恋物語。
いま始まります。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。