……か、可愛いっ!
紫耀と顔を見合わせる。
ぶはっ!!
突拍子もない質問に思わず吹き出すと
その子はキョトンとした顔で私をみた
笑いながらそう伝えると、隣でニコニコと
笑いながら紫耀も続けた。
声をかけてきた女の子は唖然とした
表情で固まっている。
ぐっと握った拳を紫耀の腹に一発。
気がつけば紫耀の写真を撮っていた
女の子達はいなくなっていた。
はぁ…
朝から疲れる…
しばらくみぞおちを押さえていた
紫耀は直ぐに復活して、
ほどけたネクタイを指差した。
校則や風紀に厳しい
学校じゃないけど
ネクタイの代わりに首から
ヒモ2本ぶら下げてたら
絶対に怒られる。
自分でネクタイ結べないなら、
ネクタイのない学校に
すれば良かったのに…
ネクタイを結び直すと、嬉しそうに
ニコニコと笑っている紫耀に
小さくため息をついた。
なんだかんだで時間ギリギリに
なってしまって急ぎ足で
昇降口に向かった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。