向けられた銃口に従うように、君は歩いた。
「 どこまで歩けばいいの? 」と首を傾げた君。
目は輝いていて、まだ幼さの残る顔。
勿体無い、と思ってしまった自分がいた。
どうせ、皆消えるのだから関係ない。そう思った。
そう思わないと、目の奥が熱くなってしまうから。
墨色の髪が風で揺れ、視界が墨色に染まりかける。
風に乗って花弁が君の髪に付くその光景を見ながら、
世界はどうして惨いことをするのだろうかと考える。
あの日、ここで2人花を摘んだこと。
あの日、ここで2人喧嘩したこと。
あの日、ここで2人笑い合ったこと。
思えば ここは2人の…
君と、自分の経験と想いが溢れている所だった。
どうせなら 最期も2人で笑い合えたら良かったのに。
実現しない理想を想いながら、微笑んだ。
「 もうすぐ、着くから。 」
まるで子供が遊ぶような言葉を発し、
その場所に歩いていった。
時は長いようで、すぐに過ぎ去った。
他愛のない話、世間話、最近のこと…
家族や友達とするような話を交わせばすぐだった。
「 ここで、なにをするの? 」
今一番、答えるのに時間を要する質問。
考えは頭を巡って、駆けて、絡まった。
速く終わさなければならないのに。
「 来世でも、一緒が良いな。 」
その一言を最期に、君の額を撃ち抜いた。
最期の君の表情は、何かを悟ったような…
なにか、暖かいような雰囲気をしていた。
「 ありがとう 」
確かに 君は震えた声で、そう言った。
後悔と哀しみはすぐに押し寄せてきて、
今一番重要なことなど考えている余裕もなかった。
自分だって君と同じ、人間なのだから。
余裕を無くした自分は、
鉛を準備して
自分の額を撃ち抜いた。
最期の言葉を発し、この世から消えた。
ただ一言、 「 ありがとう 」 とだけ言って。
花畑は、ただ静かな花達が佇んでいた。
奥底に眠る、2人の影など気にもせず。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。