全てが、どうでもよかった。
こんな世界に未練なんて、なにもなかった。
自分に、生きている価値なんてない。
誰も、必要としていない。
この世界に生まれてこなければよかった。
そうやっていつも自己嫌悪。
別に、死にたい訳じゃない。
ただ、誰にも知られずに、消えたい。
そう思うばかりで。
どうしようもなくて。
息をするのも辛くて。
でも。
彼奴らに、_______に出会ってから。
なにも、変わらないはずなのに。
少し、温かく感じて。
居場所、にしたいと思って。
でも、やっぱり怖かった。
深入りすると、また壊れる。
壊したくないから。
少し強い風が吹いた。
寒いとは思わなかった。
このまま、消えてしまおう。
この風にのって。
そのまま。
柵を越えた。
手を離そうとした。
そのとき。
青空みたいにきれいで。
曇ることなく澄んだ。
明るい声が。
俺を呼び止めた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!