あの頃、僕は夢見ていた。
当時10歳くらいだった僕が好きだったもの。
それは、「歌い手」だ。
歌い手とは、顔を隠したイラストの体を使い、ネット上で活動するアイドルのようなもの。
僕は、それに夢中だった。
カバンやスマホには推しのグッズをいっぱいつけて、お年玉の使い道も全部推しだった。
僕は神奈川県で生まれた、いわゆるはまっこ。
だから、渋谷へはそんなに遠くない。
でも、僕が住んでいたところはそんなに都会の方じゃなくて、どちらかと言うとおばあちゃんとおじいちゃんで溢れかえっているような土地だった。
こんなに楽しそうな僕だったが、これから少しすると僕は人生最大の壁にぶつかることになる。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。