FILE.2 南杯戸急行転落事件
愛と勇気だけが友達のアンパンマンさんだが近所の子に友達ムーブをやっている、これがフレネミーってやつか
団体戦で大阪代表の改方学園高等部に負け、惜しくも全国二位となった帝丹高校。
個人戦では、主将大和が準決勝を迎えていた。
高校生になるまでイングランドで育った日向は、生で剣道を見るのは初めてだった。
洗練された所作、細やかな足の技法、刀のくねり。
普段の大和とはまるで別人である。
イギリスで見るスポーツと武道の大きな違いは、会場の静けさだろう。
誰も拍手はしない。
相手は不愉快な思いをするからだ。
これはスポーツなのかと疑うほど、審判の声が響く。
そんな中、小さな男の子が身を乗り出した。
「兄ちゃん勝った」ということは、まさか大和の弟だろうか。
昼の休憩をはさんで、決勝戦となった。
日向が一人で観客席から出ていったのを、大和は見逃さなかった。
日向は一人、速足で歩いていた。
間の抜けた調子だった大和だが、疲労が出てきたのか、決勝戦はなかなか決めきれなかった。
残っていたのは主将同士。
お互い三年生、後はない。
剣道とは、一瞬で試合の決着がつく場合もある。
二本取った方が勝ち。デュースはない。
よって、次に取られたら大和は負けとなる。
休憩中だしいいや、と思い、日向は席を抜けた。
水を飲んで少し体を伸ばし、緊張を薄めようと必死に深呼吸する。
よく見ると、体育館の出口の方で、こちらに手を振っている小柄な女の子が見えた。
両手を合わせている。
颯爽といなくなった日向に、どこにもやれない怒りを膨らませる。
審判と相手も、それには気づいたようだった。
ちなみに作者は合気道の都大会中に幼馴染の推理オタクに置いてかれたことがあります。
この野郎














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。