第11話

九話《不穏》
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2024/06/20 22:09 更新
ミレイ
その顔は、図星ってところかねぇ。
よいしょ、と女は椅子から立ち上がる。

机に置かれた煙草からは、まだゆらゆらと煙が立ち上っていた。
そして、私を見下ろし、ゆっくり愛おしそうに頬を撫でた。
ミレイ
、、、ああ、よく見たらマナの娘だ。反応がそっくり。
ふふふと笑う。
なぜか、不気味なものを感じた。
女はルークより少し背が高いくらい。
ミレイ
まあ、ミライちゃんと会ったことはあるけどねぇ。ずいぶんと昔のことだから、忘れちゃってもしょうがないかもねぇ。
ヘカテ
、、、。
ミレイ
ああ、すまんね、紹介が遅れた。私はミレイ、この家の主人さ。彼女はヘカテ。マナとも仲が良かったんだ。
先程の女性がペコリと頭を下げてきた。
ミレイ
それにしても、どうしてここに来たんだい?来るなら、マナやレイラも連れて、
ミライ
死にました。
ミレイ
、、、は?
彼女は何を言ってるのかわからない、という様にこちらを見た。
ミライ
母も、レイラも、、、。亡くなりました。
ミレイ
、、、そう、、、魔女の街が燃えた事は知っていたけれど、まさか死んでいたとはねぇ。
ミライ
母は、火事に巻き込まれて、、、。レイラは、私を育ててくれたんですが、数年前病気で。
彼女はふー、と深い溜め息をついた。
ミレイ
おじいさん達のところには行ってきたのかい?
ミライ
はい。
ミレイ
そうかい。
女性は、ミレイは私の頭を撫でた。
懐かしむような目。目尻には少し皺がよっていた。
ミレイ
ああ、懐かしい。今でも手に取るように思い出せるよ。
目を閉じ、思い出に浸っていた。
私は知らなかった。
この部屋で唯一、私の存在を喜ばない者がいたことに

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