第3話

#3
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2025/03/21 09:00 更新
“あなた、カイのことすきだと思うけど”



空きコマ、大学の廊下を曲がろうとして、
聞こえてきた声に足を止めた。

どうやら僕らと同じ学部の子たちが噂をしているらしい、
ここにあなたがいなくてよかったとほっと胸を撫でおろして、
スマホをいじるふりをして死角の壁にもたれ掛かる。



“え、まじで?俺狙ってたのに”

“いやいやいや、仮に違ったとしても
あのカイからあなたは奪えないって”

“だって言ってもただの幼馴染だろ?”

“カイのあなたのこと見る目、見たことないのかよ?
お前刺される前にやめとけって”



そうだよ、やめとけって。

僕が止まれるうちに。

あーーーでも、みんな勘違いしてる。

あなたが僕を好きなんじゃなくて、僕の片思いなのに。



T;「カイ?なにしてんの?」

「あ、テヒョナ」

“…えっ”

“かっ、カイ…いたのかよ…”



廊下を通り過ぎようとしていたテヒョナに声をかけられて、
そんな僕の声に気づいたのか慌てるその人達。

なんとなく察したらしい、勘のいいテヒョナがカラッと笑った。



T;「カイからあなた奪おうなんて百年は早いね〜ㅋㅋ」

“テヒョナまで…”

T;「刺されたくなかったらやめときなよ」

“…〜っ、忠告どうも!”



この空気感にいてもたってもいられないらしい、
吐き捨てるようにしてバタバタと去っていったその人達に
手を振って見送る。

やだなあ、僕があなたのことになると人刺すみたいなの。

刺しはしないってば、刺しは。



T;「うーん、僕もあなた、カイのこと好きだと思うけどね」

「え?」

T;「もう告白しちゃえばいいのに」

「いやいやいや、…え?」

T;「当たって砕けるくらいのつもりで行かないとさあ」

T;「すぐ取られちゃうよ?
ほら、この前もあの先輩、あなたのこと狙ってるって
噂あったじゃん、えっと…」

「スビニヒョン?」

T;「あー!そう!スビニヒョン!」

「やだな〜、あの人彼女いるってば」

T;「あれ、そうなの?」

T;「まあでもあなたがモテるのは事実なんだから、
早くしなきゃ取られちゃうって」

T;「そうやって、幼馴染ってだけで隣を確保できるのにも、
限度があるよ」



…わかってる、わかってるけど。

それでも、安泰なところで見守っていたい、
なんてのは僕のわがままで。



「…告白、ねえ…」



そうやってため息をつくように吐き出した僕を尻目に、
テヒョナは呆れたように笑った。

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