あなたさんは敵だ。
最初から最後まで、ずっと敵なんだと思う。
騙された気分なわけじゃない。
だからといって落ち込んでいないわけでもない。
あなたさんは俺を騙してた。敵としてある為に…
騙すという口実のもと、俺に協力する為に。
ヤーナビーは俺に敵対してる。
あなたさんには敵対する時としない時がある。
…俺の何となくの予想では、ヤーナビーにとってあなたさんは未だに〝仲間〟なんだろう。
けれど博士は〝裏切り者〟だと思っているはず。
だからあなたさんを襲う時と襲わない時…つまりは〝不安定なタイミング〟がある。
博士とヤーナビーの認識はかなり違うんだ。
けれど、俺が侵入者で敵だってのは一致している。
…俺がヤーナビーと同じ認識を持てば仲良くなれる可能性は…捨てきれない。
あの後、無事に大嫌いで苦手な謎解きを終わらせて一安心…かと思えばヤーナビーに追われる。
なんか少し熱い空間を走り始めれば、それと同様にヤーナビーも走り始めた。
怖すぎっ…!あなたさん…は、いないんだった…!
階段を登って、登って、登りまくって…
いや、本当はそこまで長くもなかったんだろう。
とりあえず登って、一番上まで来た時。
上にぶら下がれる鉄チェーンを見つけてグラブパックでそれを掴む。
───が、嫌な音がした。
上を見てみれば、さっきまで掴んでいたチェーンが壊れて天井が遠くなっているのが分かる。
…あれ?俺、生き返れるとは言えここで死ぬの?
間一髪のところでヤーナビーに助けられ思い出す。
そういや俺、ヤーナビーに…懐かれてたな。
あの後、少し落ち着く為にヤーナビーを撫でてから次のエリアに向かうと、そこにはドーイが。
ヤーナビーのことについて話せば、ご覧の通りマジで驚いてました。
まぁ確かにドクターのペットなんて連れてたら驚くし、懐いたなんて言えばもっとびっくりだわな。
ニコニコと笑顔を絶やさずにグラブパックで冷却装置のバルブを押さえたままにして先に進む。
後での博士の顔が楽しみだなぁ。
部屋を出てすぐ、俺達に背を向けて顔を俯かせているあなたさんが目に入る。
ドーイとヤーナビーはびっくりしたり喜んだり、と各々の反応を見せていた…けど。
…俺には分かる。あの人は…あの人は怪我をした。
糸が切れたかのようにその場に倒れ込みかけるあなたさんをギリギリで抱きかかえる。
ここまでぼろぼろになるなんて…何したんだろう。
敵にならないために…俺に攻撃しないために、何をして自分を抑え込んだんだろうな…
子供らしい一面があるの、なんだか…どんな人間も完璧じゃないって教えてくれてるみたいだなぁ。
…でも、これであなたさんが常々狙われてるのはよく分かったから…なんとかしないといけない。
約束を守れた、つまり敵にならなかった。
…操られるのをなんとか自制した。
あなたさんはプロトタイプに狙われてる。
早く…先に進まないと。
あなたさんが動けないなら…俺が…
俺が動かないとダメなんだ。
帰ってきました!
これからまた投稿再開できますよーに!













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。