No , side
あの後、
少女を普段自分が使っているベットに寝かせ、
自分は念のためルンバと掃除機と共に
購入していた叩きをつかい、
別室ですやすやと眠る彼女を起こさないよう
十分注意を払いつつ急いで掃除を開始した。
まさか、こんなに直ぐに
役に立つとは想像もしなかったが……
適当に埃を払った後は、
疲れからかそのまま寝てしまった……
電気がついていない状態でも
部屋を見渡せるほどには、
もう日が登ってしまっているらしい…
ん?そういえば、なんでオレは
ソファーに寝ることになったんだ?
朝に弱いオレは、原因を突き止めるべく
回らない頭を必死に働かせる……
そしてむくりと起き上がってから
漸く昨夜のことを思い出す…
そこでオレはとある違和感に気がついた。
そういえば適当に埃を払った後は、
毛布も掛けず寝てしまった……はずなんだが、
朝目が覚めたら、自分の体に
そっと毛布が掛けられていたのだ_____
突然の出来事に、オレは突発的に
勢い良く振り返ると声の正体と目が合う……
あはは…と小さく笑う彼女は、
血管の浮くような透き通る肌。
細い手足はすらりと長く、
それでいて均整がとれている。
なだらかな撫で肩にかかるのは、美しく艶々とした
滑らかな至極色・濃色とも取れる紫紺色の髪。
所々に真紅色が散らばっていて秀麗だ…
ほんのりとした肉づきの良い頬、
丸い顎から格好の良い首筋、
形の良い桜色の唇
何より印象的なのは、切れ長のぱっちりとした瞳
少しの濁りも無く不自然な程に澄んだ
その金色の瞳からは何の邪心も虚飾も感じない……
内側から美が滲み出ているようだ。
それは全くと言っていい程引っ掛かりの無い美しさ
彼女はまるで神様が美しくこしらえた人形のような
端整な外見をしていた。
清楚・楚々・奥床しい・婉容
淑やか・たおやか・端麗・艶やか・優雅
美しさを例える全ての言葉は彼女の為に
存在しているとしか感じられない程に。
まぁ、詰まる所…
この上無くドストライク、だった。
暗がりで気づかなかったがとても美しい少女だ_____
いや、そうではなくて……
名前を聞いても、困り果てた様子で
少女は答えようとしない。
いや様子を見るに、もしかして……
こういう時、人間はどうする…?
交番に届ける??
いや…名前も分からないんじゃ
調べようがない……
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーー
ーー
一方その頃、
オカルト研究同好会として今日も活動していた
ナツメ達4人の元に2人の来訪者が現れた。
それも『邪魔するぜー!』と声をあげながら。
真剣な顔つきの2人を見て、
余程深刻な状態だと察するのは容易だった_____
「この本ですか?」と、この前
トウマの家で発見した禁怪の黙示録を掲げた。
切羽詰まった様子で問いただすカイラ様の
焦り具合は普段の余裕からは感じ取れない……
部室内には緊迫とした空気で満ちていた_____
思い出したかのように突然声をあげたアヤメ。
ガタガタガタッ…!
不気味な音を立てながら、
部室の扉が開けられようとしている。
ナツメ達は戸惑いながらも、
直ぐに戦えるようにウォッチに手を掛けたが_____
部室に入ってきたのは、
最近休みがちだった酒呑ハルヤだった…
そう言ってアキノリは
ハルヤもとい酒呑童子に近づこうと
足を踏み出したが______
カイラとエンマの圧に負け、
ハルヤが渋々横にずれると
少女の顔が明らかになる_____
そう妖艶に微笑んだ彼女は
それはそれは美しい翡翠色の瞳をしていた_____
to be continued...












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。