控えめな普通の女子高生。
大人しくて、清楚に見えるあの子。
顔が良くて、少し抜けてて、
優しいあの子。
高嶺の華の様に綺麗だけど、
話すと意外とフレンドリーなあの子。
男子内では結構好評なあの子。
あの子は今日、
男子の話題の中心だ。
余っ程話題が無いのか、
あの子が現れるだけで
少し賑やかになる男子達。
あの子が教室に入り、
かけられた挨拶に柔らかい声で答え
静かに席まで歩く。
荷物を席で取り出し、支度を
している姿までも美しく、
何をしても彼女は輝いている。
そんなあの子は荷物を下ろし、
机で本を立て、顔を隠す。
遠目からみる男子は皆それを
“無口で清楚な子”と見ているが……
結構脳内での口は饒舌なのだ。
そして、彼女のクラスには、彼女の
お気に入りのクラスメイトが居る。
3人。男。
彼女を好きな男子が聞いたら悲鳴を
あげそうな話だ。
彼女は人間観察が得意なので、
他人、特に好きな子の
些細な動き、変化にとても敏感。
だがたまにそれが行きすぎて、
限界オタク並にキモイ所を見る事が
多々ある。
それを自覚しているが故に、
彼女はそんな部分を隠しているのだ。
けどそらもそこまで
秘密主義でじゃない。
こうやって、親しくなった子には
素をさらけ出す事だって多い。
……まあ、その推しが
クラスメイトの男子とはまだ
佐々木にも言っていないが。
佐々木はクラスの仲で1番親しい、
ちょっとぎゃうい女子。
ノリも良くて優しいから、
あなたより圧倒的に友人が多い。
あなたはそれが少し、
羨ましかったりするらしい。
佐々木の前で推しの話をしてから
しばらく経っている。
佐々木も聞かなければ
あなたも答えない為、
長らく不明であったのだ。
あなたは佐々木から目線を逸らし、
席でスマホをいじる、
背の高い緑髪癖っ毛で眼鏡の男子
席で伏せて寝ている金髪で
白いフードを深く被った男子
ヘッドホンをして黒マスクをした
黒髪センター分けの男子
を順番に、流れる様に見て
少し口を閉じる。
まだ少し、それを言うのは
なんとなく、恥ずかしかった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!