僕は昔から、あまり感情を表に出してこなかった
出さないと言っても、普通の人と同じように
笑ったり、泣いたり、怒ったりはしていた
ただ単純に、頻繁に出すことがなかったってだけ
でも、ある日を境に、それが出来なくなった__
…"出来なくなった"より"しなくなった"の方が
正しいかもしれない
僕は、感情を出すことを禁止した
自分の意思で。自ら
そうなったのは、今から8年前。僕が小学3年生のとき
その頃の僕も相変わらず感情をあまり
出さなかったけど
唯一、友達になろうって声をかけてくれた子がいた
その子の名前は"優くん"
名前の通り誰にでも優しくて、穏やかな雰囲気を持ってるけど頼もしい1面を持ってる子
優くんには他にも友達がいたから、その子たちと
帰りたかったりしないのかな?ってこの時は思った
__だから、1回聞いてみたの。そしたら
そう言ってくれて、顔には表せなかったけど
ちょっと嬉しかった
ちゃんと、友達として見てくれてる気がして__
認めてくれてる気がして__
…でも、そんな平和も、長くは続かなかった
事件が起きたのは、3ヶ月くらい過ぎた頃
その日は休日で僕と優くんは公園に遊びに来てた
久しぶりに誰かと一緒に遊んで、
しかも大事な友達と遊べて、とても楽しかったんだ
だから、少し笑顔をこぼしてみた。そしたら__
帰り道。優くんは交通事故で死んでしまった
周りにいた人が色々してたけど、そんなの視界の
端にも映らなくて
どんどん冷えて固まっていく優くんの体を見つめる
ことしかできなかった
ふと気がつくと、僕は部屋にいた
どうやって家に帰ったのか、帰ったあと何をしたのか
頑張って思い出そうとしたけど、無理だった
思い出そうとすればするほど蘇る公園での光景
それを親に話したかどうか分かんなかったが
涙ぐんでいたから恐らく話したのだろう
"僕のせいで優くんは死んだ"
"僕がちゃんとしてなかったから"
僕が…ぼくが…ボクが…
そんな考えばっか頭を巡って、次第に真っ白になって何も考えられなくなった











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。