妙な夢を見た。
私じゃない、
誰か、違う女の子_____
知らない女の子が、
両親からの期待に応えていた。
耐えきれないプレッシャーに、
身も心も削って。
引き攣った笑みを浮かべて、
ひとりで泣いていた。
その女の子は、
大人になった。
旦那との子供ができて
泣いて喜んでいたけれど、
結局、離婚して終わった。
生まれた赤ん坊を幸せそうに抱いた。
そのうち、彼女は
床に這いつくばりながら
泣くようになった。
夢だからだろうか、
彼女の気持ちが痛いほどにわかった。
自分が体験したわけでもないのに、
胸が押しつぶされるように痛かった。
あんなに愛してやまなかった彼氏には
子供はいらないと言われ、殴られ、
最終的には離婚してしまった。
無償の愛を注いできた両親にも、
=ヤリ逃げ
と勘違いされ、失望され、
ついには見放された。
全ては、この赤ん坊が原因。
この赤ん坊さえいなければ、
幸せだったはずなのに。
彼女の気持ちが痛いほど理解できた。
私はつらくて、泣いた。
生まれてきてごめんなさい。
そんな言葉が、
私を支配して止まらない。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!