私がマイクに向かってそう叫ぶと
辺りに
「 キーーーン 」
と ,音が響く 。どうやら声量の
調整を軽くミスったらしい 。
魔導大祭午後の部 。解説として
呼ばれたのは私とクソエドワルド
先生の2人 。
初手から色々ミスった私は ,
隣に座るマイク ・ マウスに
哀れみの視線を向けられていた 。
スッと通る大きな声で ,マウスは
私を紹介しようとする 。
「 こちらに座るのが 」
その次に続く言葉は何だろう 。
と ,回らない頭で考える 。
なんせ先程まで私はベッドで
スヤスヤ眠りについていたのだ 。
ワークナー先生に叩き起こされて
しまったけれど 。
その言葉が耳に入った瞬間 ,
脳内はハテナマークで埋めつく
される 。
他称を " 無自覚有能者 " ??
何言ってんだコイツ 。
私が ,私が ,本当に有能なら
あの子は____リリーは 。
「 ねぇ ,あなたの下の名前 !!
絶対に一緒に塔に行こうね !! 」
" 死ぬ " なんてこと無かったはずよ 。
私が俯いていると ,何かを察した
らしいエドワルド先生がマイクに
そう言った 。
マイクは私の機嫌を損ねてしまっ
たと勘違いしたようで ,不安げな
視線を向けてくる 。
ごめんね ,貴方のせいじゃないの 。
私がとんでもなく弱いだけ 。
未だに燻っている私が弱いだけ 。
そんなことを思っていると ,
ふいに隣に座るエドワルド先生の
声が振ってかかってきた 。
エドワルド先生はそう言って ,
無自覚の内に握りすぎて
血だらけになった手を私に
見せてくる 。
____その時のエドワルド先生は
やけに ,哀しそうな顔をしていた 。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!