私には未来を見る能力がある
眠っている時に、夢を見る事で未来を知ることができる
小さい頃から、自分の未来に起こる出来事を度々知ってきた
入る高校、出来る友達、将来の職業
その時その時で、見る夢は様々だった
明日の出来事を見ることもあれば、数十年後の未来を見ることもあった
見た夢の未来の時期は、直感で自然と理解できる
ただし、知れる未来は全て自分の事について
今まで見た夢は、全て自分視点
何が起こるのか理解できない程短い夢もあるし、長い夢もあった
私にとって睡眠とは、未来を知ることだった
夢を見たことで、危険を予知して回避することもできた
私は、この能力を密かに重宝していた
でもある日、とある夢の所為で全てを知ってしまう
その夢は急に出てきたのだ
内容は[夫と親友が不倫をして私にバレた挙句、多額の借金を抱えたまま私を残し、夜逃げする]だった
ガチャッ
ドサドサッ
バタンッ
私が引き止める間も無く、2人は家を出て行った
そして、二度と帰って来なかった
その日から、私は借金取りに怯える生活をした
知らぬうちに、連帯保証人にされていたのだ
その生活に耐えられなくなった私は、そのまま……
気付けば私は、駅のホームに居た
プァーン
私は、電車が入ってきているホームに足を踏み入れた
そこで、目が覚めた
時計は深夜2時を示している
隣を見ると、ドンヒョンが寝ていた
今すぐこんな家、出て行かないと
そう思い、こっそりベッドから降りて寝室を出た
ゴソゴソ
小さなボストンバッグに、最低限の荷物を入れる
今のミッションは、家を出て行くことだ
とはいえ、彼とは同じ会社で同じ部署
つまり、彼と同棲している家を出ても無駄
そうと分かっていたが、その時の私は混乱していた
取り敢えず、家を出たかった
スーツとパンプスを最後に入れ込む
これから私は、夢で見た未来にならないように動かなければならない
今までとは違い、一生の運命が決まるであろう、夫と親友の不倫
絶対に止めなければ
私は覚悟を決め、玄関を開けて外へと出て行った
NEXT °・*:.。.☆












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!