結局ぼくら誰にも愛されたことなどなかったんだ。
そんな嫌な共通点で僕らは簡単に信じあっていた。
君の手を握ったときかすかな震えもすでにとまっていた。
誰にも縛られないで二人
『線路ついたよ』
『うぃ~迷惑行為~!』
線路の上をあるいた。
『やってみたいこととかある?』
『スリたいw』
金を盗んで
『根っからの反社じゃん…』
『ww』
『わぁ~逃げろ~w』
二人で逃げて
『楽しw』
『君も根っからの反社じゃんw』
『こんな自由なの初めてで楽しいだけだよ』
『ほんとうにね………』
『………』
どこにも行ける気がしたんだ
今更怖いものは僕らにはなかったんだ
額の汗も
『やっぱ夏だから暑いね~……!』
『………』
『どこみてんのえっちw』
『はぁ?お前こそなに考えてんの?』
『必死になるなって童貞くんw』
『………うざっ』
落ちた眼鏡も
『w眼鏡いいの?ww』
『今となっちゃどうでもいい』
『すがすがしいかぎりで』
あぶれものの小さな逃避行の旅だ
『お前もなw』
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。