ー家(太宰の)
ードロッ
太宰side
あなたの口から告げられたのは、こういうことだった。
あなたの異能は、主に2つ。
だが、4つ目の異能が開花しつつあると言っていた。
(2つなのに4と記した事の理由はここで説明するから、しっかり読んでくれると嬉しいです!!)
それは気象や気分、精神的ストレスや体調など…
様々なことを記録しても確定することはなく、未だに全容が掴めないらしい。
1つ目の異能は 「灯籠と主従成約【神の娯楽】」。
これはみんなの知っている通り、虎・龍・鳳凰・雪女など…7つの式神を自由に出したり消したりできるらしい。
7体目の式神は〝名前を忘れる〟という条件の下に主従成約を結んだそうで、詳しいことはあなたもわからないと言う。
唯一分かっていることは、その式神は命の危機が迫ったとき以外は使わない方が良い、ということ。
大地の神であり、何でも壊す破壊の神だそうだ。
2つ目の異能 「灯籠と主従成約【印】」。
これも知っている人は多いのではないだろうか。
目のあった人物、物などを仲間にする異能だ。
自分の意志を持たないものでも通用するもの。
しかし、これはれっきとした1つの異能ではなく、
1つ目の異能、「灯籠と主従成約【神の娯楽】」とセットだそうだ。
3つ目の異能 「造花」。
一度見た異能を自分のものとして使用できる。
要はコピー能力だ。
彼女の経験上でわかったことだが、コピーした異能の質は劣らないが、その異能で押し合いの勝負をした場合は負けるという。
1度見たり、コピーした異能はその後永久的に使えるという。
そして、最後。彼女の隠された異能について。
4つ目の異能 「完璧人間」。
これは異能の開発。
ただ、何時行えるかわからないため使いにくいという。
また、新しい異能は作るときも考えるときも大きな体力や精神への負荷がかかるためなるべく避けたいということだ。
今までにあなたが開発した異能はこの2つ。
①透視 ドアの向こうに居るものなどがわかる。
②死の恐怖と黄泉の国 亡くなった者を一時的に蘇らせる。また、その者の意思はそのままである。
他にも開発しようと思ったみたいだがなかなかうまく行かないらしい。
彼女は無自覚だ。
だからこそ怖い。
あなたが僕の知らないうちに何処かへ行ってしまうのではないか。
そんな不安と何時も隣り合わせだ。
僕は、その笑顔を守りたいんだよ
ーギュ
ー私は太宰の奥さんでしょ?ー
僕は本当に幸せものだ。
こんなに可愛くて、美しい……けれども不器用で、、
こんなにも儚く素敵な女性と見合う男になりたいと思った夕方だった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。