第8話

呼び間違え
331
2025/11/01 22:31 更新
特待生ちゃんと蓮くんのお話です!


特待生ちゃんは公式とは性格が違うのでご注意を…
爽やかな風が吹くジャバウォック。


さんさんと降り注ぐ陽光に目を細める。
あなた
艸楽さんはどこかな〜
資料を片手に、キョロキョロと周りを見回す。


と、目的の人物ではないが、会って嬉しい人を見つけた。


珍しくつなぎを着て仕事をしている。


大方、艸楽さんに言われて渋々動物の世話をしているのだろう。
あなた
おー……お?
おーい、と声をかけようとしたところで、もう一つ知っている顔を見つけて足を止める。
あなた
(あれは…ライカくん?)
ライカくんと蓮くんが並んで怪異動物の前にしゃがみ込んでいる。
あなた
(二人って友達だったんだ…)
意外な事実に少々驚く。


なんとなくこっそり近づきながら聞き耳を立てる。
ライカ・コルト
おい、このあとはどーすんだよ
白波蓮
これをあげるんだよ
そう言いながら、蓮くんは袋(おそらく餌が入っている)を取り出した。
あなた
(友情を深めて怪異動物の世話もしてるとは)
あなた
(蓮くん、成長したなぁ)
蓮くんに聞かれたら、母親かよ、と突っ込まれそうなことを思った。


…が、蓮くんはスマホを取り出してゲームをし始めた。


私の中に浮かんだ友情と言う二文字は、彼の行動によって粉々になった。
あなた
(いや、ライカくんに仕事を押し付けてるだけかよ!)
そこで、ライカくんがこちらを見た。
ライカ・コルト
……あなたの下の名前、後ろで何やってんだ?
白波蓮
は?あなたの下の名前?
蓮くんの言葉に、私は持っていた資料をばささー、と落とした。
ライカ・コルト
あ、おい!何やってんだよ!
資料を拾ってくれるライカくんにお礼も言わず、大声で叫ぶ。
あなた
蓮くんが……蓮くんが、私のことあなたの下の名前って言った!
いつもはあなたの下の名前先輩なのに!


蓮くんは、しまった、と言うように口元を押さえた。
白波蓮
いや、今のはコイツに引っ張られただけなんで!
耳の端を赤くしながら言う蓮くんに、私はニヨニヨと笑う。
あなた
うん、分かってるよ〜
あなた
ゲームして、集中してたから引っ張られたんだよね〜?
にやりと悪魔の笑みを浮かべて、あるものを取り出す。
あなた
これ、な〜んだ
見覚えのあるだろうそれに、蓮くんは目を見開いた。
白波蓮
は!?それ、まさか…
あなた
針条くんのまね〜
ボイスレコーダーを蓮くんの前でひらひらと揺らす。


針条くんを見習って(?)私も常日頃から持つようにしたのだ。と言っても、持ち始めたのは昨日だが。


もちろん、蓮くんが私のことをあなたの下の名前、とよんだところもバッチリ録音済みだ。


試しに再生ボタンを押そうとすると一一
白波蓮
やめろ!!
すっと手中にあったボイスレコーダーがなくなった。
あなた
あ、取られた!
どろぼー!と必死に取り返そうとするが、蓮くんは意外と身長が高く、中々触ることができない。
あなた
ら、ライカくん!ここに泥棒がいる!
ライカ・コルト
は?…おまえ、どろぼーはいけないことなんだぞ!
白波蓮
コイツが悪いんだよ!
あなた
針条くんは録音するの犯罪じゃないって言ってたもん!
白波蓮
人権ってもんがあんだろ!
ライカ・コルト
は?じんけん…?なんだよ、それ
ぎゃーぎゃーと言い争って、決着がつかないまま5分。


ライカくんは私と蓮くん、どっちについたらいいのか分からず、黙って私たちを傍観してた。


結局、ボイスレコーダーは返してもらえないまま、私は艸楽さんのもとにトボトボと行った。
あなた
(いつか絶対取り返してやる!)

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