特待生ちゃんと蓮くんのお話です!
特待生ちゃんは公式とは性格が違うのでご注意を…
爽やかな風が吹くジャバウォック。
さんさんと降り注ぐ陽光に目を細める。
資料を片手に、キョロキョロと周りを見回す。
と、目的の人物ではないが、会って嬉しい人を見つけた。
珍しくつなぎを着て仕事をしている。
大方、艸楽さんに言われて渋々動物の世話をしているのだろう。
おーい、と声をかけようとしたところで、もう一つ知っている顔を見つけて足を止める。
ライカくんと蓮くんが並んで怪異動物の前にしゃがみ込んでいる。
意外な事実に少々驚く。
なんとなくこっそり近づきながら聞き耳を立てる。
そう言いながら、蓮くんは袋(おそらく餌が入っている)を取り出した。
蓮くんに聞かれたら、母親かよ、と突っ込まれそうなことを思った。
…が、蓮くんはスマホを取り出してゲームをし始めた。
私の中に浮かんだ友情と言う二文字は、彼の行動によって粉々になった。
そこで、ライカくんがこちらを見た。
蓮くんの言葉に、私は持っていた資料をばささー、と落とした。
資料を拾ってくれるライカくんにお礼も言わず、大声で叫ぶ。
いつもはあなたの下の名前先輩なのに!
蓮くんは、しまった、と言うように口元を押さえた。
耳の端を赤くしながら言う蓮くんに、私はニヨニヨと笑う。
にやりと悪魔の笑みを浮かべて、あるものを取り出す。
見覚えのあるだろうそれに、蓮くんは目を見開いた。
ボイスレコーダーを蓮くんの前でひらひらと揺らす。
針条くんを見習って(?)私も常日頃から持つようにしたのだ。と言っても、持ち始めたのは昨日だが。
もちろん、蓮くんが私のことをあなたの下の名前、とよんだところもバッチリ録音済みだ。
試しに再生ボタンを押そうとすると一一
すっと手中にあったボイスレコーダーがなくなった。
どろぼー!と必死に取り返そうとするが、蓮くんは意外と身長が高く、中々触ることができない。
ぎゃーぎゃーと言い争って、決着がつかないまま5分。
ライカくんは私と蓮くん、どっちについたらいいのか分からず、黙って私たちを傍観してた。
結局、ボイスレコーダーは返してもらえないまま、私は艸楽さんのもとにトボトボと行った。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。