第11話

名前
82
2026/01/31 22:26 更新
大我サンと特待生ちゃんのお話です!

特待生ちゃんはゲームと性格違うのでご注意を……。
バンッと扉を開けて、部屋に入る。
あなた
ね!そろそろみんなの名前覚えましょう!
星喰大我
あ〜?名前?
首を傾げた星喰さんに、私はバッと持っていた紙をみせる。
あなた
とりあえず、この学園にいるグールの名前と顔の一覧作ってきたので!
あなた
これ、全員覚えましょう!
ぐいっと顔を近づけるが、星喰さんは気にせずに大きなあくびをした。
星喰大我
なんでオイラがそんなことしなきゃいけねぇんだよ
あなた
それは……針条くんがそろそろ限界を迎えそうだからです
あなた
毎回毎回、星喰さんが針条くんの名前覚えてないから……
この人、記憶力のなさだったら学園、いや世界トップに入るよ。

何十回も会ってる人のこと忘れるって、アンタは鳥か。

三歩進んだらほとんどの記憶がリセットされてそう。


そんな悪口は置いといて、私は彼の近くにある机に紙を置く。
あなた
はい、まずはこの人
ピッと指をさすが、星喰さんは全く乗り気じゃないらしく、面倒くさそうに言った。
星喰大我
だから、なんでオイラが……
あなた
やりますよ!これは星喰さんの記憶力を上げるため!
あなた
英検も記憶力めっちゃ必要なんですよ!単語を覚えなきゃなんだから!
星喰大我
おれ、英検とか興味ねぇし
あなた
今のは例えです
あなた
日常で記憶力は大事!今日は星喰さんが全員覚えるまで帰りません!
ビシィッと効果音がなりそうなくらい勢いよく彼を指さす。
星喰大我
あ〜?
あなた
3年の人たちはギリ覚えてるみたいなんで、1、2年の人を重点的にやっていきましょう
あなた
はい!始めますよ〜
星喰大我
だからなんで……
あなた
ごちゃごちゃ言わない!
無理やり始めたグール全員覚えよう大作戦が開始して、早3時間。


最初はまともに答えてくれなかった星喰さんも、これが終わらないと私が帰らないと悟ったのか今は大人しく答えている。


ちなみに、3年の人たちはフルネームじゃなくてもいいことにした。

そうじゃないと、終わりそうにないからだ。
あなた
この人
星喰大我
ルル
あなた
この人
星喰大我
あー……針条律……?
最後の一人を言った彼に、私はキラキラと目を輝かせる。
あなた
すごい!387回目で全員言えましたよ!!
パチパチと拍手を送るが、星喰さんは疲れた顔をして全くうれしくなさそうだ。   
あなた
(いまならいけるかも……!)
実は、これにはとある目的があったのだ。

記憶力を上げることもそうだが、もっと重要な……私の名前を呼ばせるという大事な目的が!

いっつも"メス猫"で、そろそろあなたの下の名前って名前を呼んでほしいんだよ!


グールの名前を覚えさせる間、私はあなたの名字あなたの下の名前ですよって何度も言ったから、今なら……!
あなた
……じゃあ、私は?
期待に胸を膨らませながら、自分を指さすが一一
星喰大我
メス猫
あなた
ち、違う〜……!
疲労がたまった顔で答えた星喰さんに、力なく机に突っ伏す。
即答してくれたことは嬉しいけど、本名じゃない……。
あなた
うぅ……。今日はもう帰ります……
しょんぼり肩を落とし、扉に手をかける。
あなた
(やっぱり無理かぁ……)
そして、扉を開けようとした瞬間一一
星喰大我
……あなたの名字あなたの下の名前
あなた
……え?
星喰大我
…だろ?お前の名前
ニヤッと笑った星喰さんに、ぱあっと顔に笑顔が広がる。
あなた
はいっ!そうです!
あなた
(ようやく覚えてくれた……!)
嬉しい気持ちが、胸いっぱいに広がっていく。

と、星喰さんがこちらに歩いてくる。
星喰大我
あなたの下の名前、もう行っちゃうのかよ
星喰大我
オレとたのしいコトしようぜ〜?
そうら顔を近づけてニヤッと笑う星喰さんに、顔がどんどん熱くなっていくのが分かる。

その破壊力に、空気を求める魚のようにハクハクと口を開け閉めする。
あなた
ひょ、ひょえぇ……
あなた
(こっ、これ以上ここにいたらマズイ……!)
あなた
じゃっ、じゃあ、失礼しました!
身の危険を感じて、私は大慌てで部屋を出る。
あなた
(名前呼びは嬉しいけど……さすがにああいうのは無理ぃ!)
熱くなった顔を冷ますように、私は思いっきり廊下を走った。
〜後日〜
針条律
寮長!今日こそ、この書類にサインを……
星喰大我
あ〜?誰だお前
針条律
針条律です!
星喰大我
シンジョ?聞いたことね〜な
あなた
(もう忘れてる……)

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