花火は、私の大切な友達なの。
優しくて、可愛くて、面白くて、
私なんかよりいいとこ沢山あるのに
花火を傷付けたくないのに。
花火からはたくさん、いいものを貰った
貰ってばかりの私が、こんないい子の欲しいものを
盗ってはいけない。
欲しいよ、私も、好きだよ、りょうが。
でも、花火の笑顔を壊すのは
もっと辛い。
これが私が導き出した、精一杯の答えだった
そもそも、私はりょうくんの隣なんて似合わない
花火の方がよっぽどお似合いだ
花火が私に与えてくれた、たくさんのことを
私も、返すの、今。
苦しい。
胸が痛い。
ごめんね、りょう。
私の額の手を添えたりょう
近いなぁ、心臓うるさいなぁ
ほんとにずるい。そういうの。
私の気も知らないでしょ。
ご飯を食べ終わり、りょうは私の家まで送ってくれた
車を降りようと荷物を持つ
ドアを開けようとすると、反対側の腕を引っ張られた
ダメ、それ以上言わないで
悲しそうな声をするりょうに、目線を合わせられない
頭が痛い
心が熱い
その言葉だけで、気がおかしくなりそうになる
嬉しい、私も好きだから。
でも友達を裏切ることは出来ない。
私は後者だよ、りょう。
あなたに相応しいのは私じゃない、花火だよ
家に帰れば、心にすっぽり穴が空いたように
ただぼーっとしていた
花火とりょうは今週の日曜に一緒に過ごすらしい
時間なんて止まってしまえばいいのに。
そもそも、私はりょうくんの隣なんて似合わない
花火の方がよっぽどお似合いだ
花火が私に与えてくれた、たくさんのことを
私も、返すの、今。
苦しい。
胸が痛い。
こんな気持ち無くなってしまえばいいのに。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。