現在午前10時
誰がどう見ても遅刻
なぜ一人暮らしを始めたのか、朝起きれもしないのに
だるいけど一分一秒でも早く学校に行けるように支度して
家を飛び出した
一人で喋ってる私、頭おかしいなㅋㅋㅋ
そんなことを考えながらバスに乗った
が、なかなか出発しない
なんだろう、と思ってバスの入口に視線を移すと可愛い男の子がいた
たまたま近くに立ってたし、危ないから話しかけるか
よく見るとうちの学校の子だ、同じ制服着てる
それと…ヘルプマークがカバンについてる
軽く男の子の腕を引いてあげる
完全に体の力を抜いていたのかこっち側に倒れてくる
この子学校であんま見ないな、別室登校なのかな、
きっとこの子精神病かなんかなんだろうな、
可哀想だな、なんて思いながら彼のヘルプマークを裏返す
そこには病名が書いてあって、その後に説明書きのようなものがズラーっと書いてある
どうやらパニック障害らしい、
症状とか対処法とかが事細かに書いてある
気分が悪そうだったら座らせて欲しいとか、発作が出たらカバンの1番前のポケットから薬を出して飲ませて欲しいとか、
バスの中ということを忘れてケラケラ話していると
学校の近くのバス停に着いた
そんな話をしていると学校の下駄箱に着いた
それから私は自分のクラスに向かった
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!