第15話

14.待っていた、教室で
122
2025/09/13 07:00 更新
文化祭の日から太陽が沈み、昇り、次の日の朝となった。
教室には落ちてるプリント、貼られていたチラシは、変わらず人の賑やかさ、それだけが変わっていた。
光琴
あ、子雨ちゃん!!
大きく光琴が手を振っていた。彼だけが、いや、子雨も何も変わっていないように感じていた。
 子雨
光琴くんじゃん!昨日、楽しかったね!
光琴は、子雨の言葉に頷いた。来年も一緒にできたらいいなと、ふと子雨が思った。でも、首を振った。今じゃないと感じた。だって、まだ…みんな揃ってない。
え、早くね…まだ朝よ?
 子雨
蘭くんだって早く来てるじゃん!
その言葉にそうじゃんと返す蘭。
気づいてなかったんかよと、子雨はこっそりと笑っていた。続々と教室にクラスメイトが入り、先生が来た。先生の話によると今日、文化祭の片付けをするみたい。
クラスで、片付けの係を決めることになった。
子雨と蘭と光琴の3人は、早く片付けを終わることができ、暇なので、練習をしていた教室に行くことにした。扉を開けたら、誰もいなかった。少し期待してたのでがっかりした。
あったのは昨日まで練習で使ってた楽譜とか楽器とかそれだけ。3人は、それらを片付けず待つことにした。
 子雨
まだかな〜せっかくならみんなで片付けたいよね!
子雨は、ワクワクしていた。1秒1秒が待ち遠しい。チカ、チカ、チカ時計の音だけが鳴り響く。
そんな中、時計以外の音も聞こえてきた。
光琴
もしかしたら!
元気に光琴は走り出し、扉を開けた。
あ、子雨と蘭と光琴じゃん。なにしてるん?
夏を見ると口をポカンと開いていた。
須知
もしかして…待っててくれたんだ
 子雨
うん、そうだけど!
須知の言葉に子雨が喜びの声で返した。そういえば、言おうとしてたことあったんだった。
 子雨
今日で最後じゃん。
子雨の言葉にシーンとした空気になった。
射流真
来年もするんじゃねぇの?
 子雨
そう言おうと思ってた!子雨のセリフ取らないでよ!
意味分からない絡み方を子雨は、射流真にした。
射流真
…めんどくせぇ
その様子に須知が笑いながらボソッと言った。
須知
また、出来たらいいな。
須知の言葉に頷く夏。
じゃあ、やればいいじゃん?
普通のように真顔で言う蘭。風が窓の隙間から入り込み、楽譜が舞っていた。蘭はギターをさっと取り出し弾いていた。
 子雨
なるほどね!
小雨は、蘭の行動を理解し、声の調整を始めた。
無言で射流真がベース弾き始め、須知の足がキーボードへ向かった。夏と光琴は首を傾げ、興奮しながらなんとなく楽器を取り出した。
蘭のギターの音に子雨の声が入り、安定したキーボードやベースが入る。その後、夏のギターと光琴のドラムが入る。
ふと、光琴が声を出した。
光琴
この順番で出来たの初めてじゃない!?
それに気づいたのか、音が大きくなっていた。昨日より、協力できてると、その場の全員が思うだろう。
音が止まり、デカい声が入ってきた。
__楽器を片付けなさい!
先生の声だった。気付かないほど集中してたんだと6人は、心の中でハイタッチをした。
射流真
すいませーん。
雑に謝る射流真に耐えるのは、大変だった。先生は、怒るのを我慢しながらこの部屋を出でいった。
 子雨
続きやろ!
子雨の言葉に口を開けたままの射流真と蘭。
須知
え、さっき起こられたのに?
そうだよ!また怒られるんじゃね?
常識人の須知と夏。その2人の話を聞かずに黙々と始める子雨と光琴。須知はため息を吐いた。
須知
もうしらない、俺は忠告したからね!
とか言いながら6人は、準備をしていた。
ガチャ先生が入ってきた。子雨と光琴以外は音を出してなかったので、安心して見ていた。
__またですか?
淡々と響く先生の声。
 子雨
だって…今年では、最後なんですよ?
震えた声で言う子雨をチラ見して、先生はため息を吐いた。
__やったらいけませんと言ってるわけではないんですよ。ここでは、ダメというわけで…。
光琴
え、じゃあ家ではいいってこと?
光琴の質問に先生は、答えなかった。先生の目線もありながらの片付けは、変に疲れた。
いつの間にか外が赤色掛かっていた。
 子雨
子雨の家でも来ない?
俺の家でも来ねぇか?
夏と子雨の声が綺麗にハモっていた。
4人はこの2人、双子だから同じ家だということを思い出したことによって、また笑いが起き始めた。

プリ小説オーディオドラマ