さっきまで明るかったあなたの声が暗くなる。
あなたのいう事が分からなくて、ハンビンは彼女の顔を見た。
とたんにあなたのクリッとした丸い目と視線がぶつかる。
慌てて目をそらす。
それが恋愛フィルターの恐ろしさであることを、
彼はまだ知らない。
そんなハンビンにあなたの尖った声が聞こえる。
ね!と言ってあなたは保健室から出て行った。
あなたが出て行ってから、ハンビンは思う。
(怒らせた?)
せっかく心配してきてくれたのに、俺がへんな態度を取るから。
久しぶりに2人きりで、話したいこともあったはずなのに。
大事な幼なじみなのに、本当に悪いことした。
謝らなきゃ、と思う。
そして今までの通り、適切な距離でいてあなたに
迷惑かけないようにしなきゃ。
ハンビンはまた自己嫌悪でうなだれた。
次の日、練習室に行くとメンバーのみんなが揃っていた。
見ているこちらの心も明るくする笑顔で、
ソク・マシューが声をかけてくる。
「おはよう」「おはようございます」と他のメンバーも口々に挨拶した。
マシューが心配そうな顔で聞いてくる。
ハンビンは微笑んで言った。
キム・ジウンがハンビンを気遣って言う。
ハンビンは言ったが、メンバーのみんなは一様に首を横に振る。
「ちょっと様子見た方がいいよ。」
「オッケー」とメンバーが準備しはじめたので
ハンビンも分かった、とみんなのダンスが見える
真ん前に少し距離をとって座る。
「Say My Name」の軽やかな前奏がかかる。
ユ・スンオンが伸びやかに歌い始める。
「やっと君の番だよ。
Let me let me know 全部伝えて」
可愛い笑顔で嬉しそうに歌うスンオンを見て、この曲は
本当に彼に似合っていると思う。
ソク・マシューが明るい笑顔で歌う。
「いつまでも君のそばで、 君のために生きていきたいんだ。
僕の気持ちは正直で」
スンオン
「僕は毎日あせってしまう
察しのいいはずの君が 気が付かないからだよ」
歌を聴いていると、なぜかあなたの顔がチラついてくる。
ハン・ユジン
「そろそろ僕のものにならない?
可愛く言うよ "君のための準備はできてる”って」
ソク・マシュー
「ためらいながら、君の手を引く
このままギュってしたら どうなるのかな?」
キム・ジウン
「いつも我慢するけど もう無理みたい
君が可愛すぎて 死んじゃいそう」
「もう友達じゃいられない
ためらっていても 時間だけが過ぎていくから」
2番に入ると、ますますハンビンの顔は赤くなる。
(2番歌詞 抜粋)
「いっそ僕の中に
君の文字でLOVEって描いてよ」
「君のまわりのなんでもない人たちも
僕にとってはすごく気に入らないんだ」
「まいにち不安でおかしくなりそう
君のことが好きすぎるから」
頭をかかえるハンビン
チラっと、大人の笑顔で踊るキム・ジウンを見る。
ハンビンの心配をよそに、キム・ジウンは素知らぬ顔で踊る。
ハン・ユジンもさすがに現役中学生だけあって、
この曲にぴったりだ。
少しぎこちなく見える笑顔ですら、初々しくてかわいい。
無邪気に踊る彼らを、ハンビンは眩しく思う。
※この和訳は諸説あります。
ハンビンの胸に届くようにちょっと意訳しております。
ご了承ください。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!