第5話

🎼Rush 🤍
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2026/04/15 08:51 更新
今思えば

彼には彼女がいるのに、

身体を許したのがいけなかった。
(なまえ)
あなた
…如恵留はなんでいつも来てくれるの
お酒の入ったグラスに視線を向けながら、あなたはぽつりと聞いた。
如恵留
如恵留
来るなとも、言ってないでしょ?
軽い口調。でも、その目は真っ直ぐで、逃げ場がない。

早まる鼓動が、うるさい。

あなたは小さく息を吐いた。


如恵留と出会ったのは大学のゼミ。

彼の人当たりの良さで、仲良くなるまでに時間はかからなかった。

そのうちお互いの家を行き来するようになって、
一緒にレポート作成をしたり
お酒を飲みながらくだらない会話をしたり。

彼女がいることは知っていた。

知っていながら

距離は近づいていった。

そして

いつからかわからないけれど

本能で、如恵留を求めるようになった。

(なまえ)
あなた
…ずるいよ、そういうの
如恵留
如恵留
何が?
(なまえ)
あなた
わかっててやってるでしょ
沈黙。

でもそれは気まずいものじゃなくて、むしろ、触れたら一気に火がつきそうな、危うい静けさ。

如恵留がグラスを置く音がやけに響く。
如恵留
如恵留
抑えようとはしてるよ
低い声で、ぽつりと呟く。
如恵留
如恵留
でもさ、無理なんだよ
その言葉にあなたの心臓が跳ねた。

あなたも、抑えられなくなるのは同じだった。
如恵留
如恵留
あなたといると、全部どうでもよくなる
視線が絡む。

逃げられない。
(なまえ)
あなた
…それ、ダメじゃん
如恵留
如恵留
うん、ダメだね
そう言いながらも、如恵留は少し身を乗り出した。

距離がグッと近くなる。
如恵留
如恵留
でも、やめる?
触れてないのに、体温が伝わってくるみたいで。

あなたの思考が、ぐちゃぐちゃになる。

正しいとか、間違いとか、

そんなの全部――

どうでもよくなりそうで。
(なまえ)
あなた
わかんない
(なまえ)
あなた
でも
(なまえ)
あなた
如恵留といると苦しいのに…
(なまえ)
あなた
やめたくない
目をぎゅっと瞑る。

その瞬間、如恵留の指がそっと、あなたに触れた。

如恵留
如恵留
それでいいよ
如恵留の言葉は

何が本当なのか、あなたにはわからない。

それでも、あなたの手に触れている指は

確かに温かく、強すぎない力なのに逃がさない。

まるで魔法のようにあなたの心を揺らす。

(なまえ)
あなた
…ほんと危ない人
如恵留
如恵留
知ってるよ
如恵留
如恵留
それでも行くよ。あなたがいるなら
何度も諦めようと思った。

それなのに、こうやって近づくから

その度にまた落ちてしまう。
(なまえ)
あなた
……
何も言えない、あなたの唇を

如恵留はさりげなく奪った。

触れるだけのキス。

たったそれだけで、
胸の奥で火花が散るような感覚になる。
如恵留
如恵留
…ほら、そういう反応するから
(なまえ)
あなた
だって…
口籠るあなたを如恵留はそっと抱き寄せる。

如恵留の香水の香りが鼻先をかすめる。
如恵留
如恵留
夢中にさせるあなたも悪いよね
(なまえ)
あなた
…そうやってドキドキさせないで
揺さぶられる心が引き金となって
頭の中が如恵留で満たされていく。
(なまえ)
あなた
…好きになっちゃうから
この気持ちに嘘をつきたくなくなる。

如恵留
如恵留
俺を呼ぶってことは、俺が必要だからだもんね
おでこを合わせながら、罪な微笑みを見せる。

ほんと、その通り。

私には如恵留が、必要。

(なまえ)
あなた
…早く私のになってよ
その言葉は静かな部屋に消えていく。

それでも

この瞬間だけは確かで。

二人の鼓動が、同じ速さで高鳴っていた。


end.

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