第80話

プロポーズ…?
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2021/01/03 08:13
藍
…みーちゃん…結婚、ってどう思う?
美麗
美麗
なんですか…?突然
藍
いや、みーちゃんくらいの年齢なら
もうそういうの見据えてるのかなーって
美麗
美麗
…そ、その事なら…彼と話し合って…
藍
何を話し合ってるの?

わたしの言葉を被せるかのように言われた。
藍
俺は… みーちゃんとなら
今すぐにでも結婚したいくらいだよ?
美麗
美麗
………


伊吹さんからの突然のプロポーズ(?)に




わたしは固まるしかなかった…。
美麗
美麗
からかわないでください。

わたしは伊吹さんから目を逸らした。
藍
からかってなんかない。
俺、本気だから

伊吹さんの声は真剣だ。



本気だと言うことは…わかってる。



でもわたしは、はぐらかしたかった。

伊吹さんは勘のいい人だ。




色々話をしていくうちに




わたしが誰と付き合っているか…





特定まではしなくても





何かに気づくかもしれない。





…はるくんや





はるくんの大事な人達に





迷惑をかけるわけにはいかない。





わたしはこの話題を





早く終わりにしたかった…のに…。
藍
みーちゃん、結婚に興味ないの?
美麗
美麗
… そういうわけじゃ…
藍
ちゃんと働いてて…ましてやみーちゃんみたいな女の子と付き合ったら、結婚…
考えると思うけどね、男は。
美麗
美麗
すぐに結婚を考える人ばっかりじゃないでしょ?!
それに…わたしみたいな女の子って何ですか…?
藍
一言で言うなら… …危なっかしい
美麗
美麗
危なっかしい…?
藍
うまく言えないけど…。
危なっかしくて放っておけないって感じ?
美麗
美麗
わたしが…フラフラしてるとでも
言いたいんですか?
藍
だって、隙だらけじゃん

伊吹さんはわたしの疑問に疑問形で返した。




隙だらけ…?




わたしが…?





全く自覚のない指摘に





わたしは黙って考え込んでいると





伊吹さんが笑った。
藍
そーゆーとこ
美麗
美麗
??
藍
男に、簡単にそんな可愛い困り顔見せるとこ
美麗
美麗
見せてない!

わたしは、伊吹さんに対して、敬語を忘れるほど



少しイライラし始めていた。
藍
みーちゃんの彼氏、心配だろうね。
自分の彼女がこうやって
自分の知らない男と2人で食事して、俺にこんな風に迫られてるんだから
美麗
美麗
藍
そんな怖い顔して警戒しないでよ。
俺、みーちゃんに嫌われたくないし
無理矢理は絶対はないから

伊吹さんそう言いながらも、




テーブルの上のわたしの手に、自分の手を重ねた。
美麗
美麗
…!…離して!

わたしは重ねられていた手を振り解いて



財布を出してお金を置いた。
美麗
美麗
帰ります。

わたしはそう言って、荷物を持って




立ち上がり、出ようとすると
藍
俺は!… ぜってー勝ちに行くからね

わたしは伊吹さんの言葉に返事をせず



急いで外に出た。

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