〜次の日〜
〜Nakamu Side〜
カードショップにやってきたおれたちは、受付を済ませて指定された席に座る。
このバトルはトーナメント戦で、参加者は16人。
チャンピオンズリーグとかだと参加者は何百人もいるらしい。
おれが席でそわそわしていると、斜め前の席に見覚えのある人が座った。
あの日と変わらず、胸元にはブローチが光っている。
話しかけてみようかと腰を浮かすと、きりやんが先にその人に話しかけてしまった。
まわりのざわめきもあって、会話はよく聞こえない。
おっと、対戦相手のプレイヤーだ。
おれは入念にシャッフルしたデッキを置く。
お互いに山札を引いて、ポケモンを出して、サイドを並べる…
〜数十分後〜
バトルはどんどん進んで、ついに決勝戦になった。
決勝に出るのはこのおれ、Nakamu!
…なわけがなかった。1回戦で負けた。
というか弱点でボコボコにされた。
気をとりなおして、決勝に出るのはなんときりやん!
きりやんは席でデッキのシャッフルをしている。
対戦相手は…
おれはブローチをつけたその人のことを笑顔の人と呼んでいた(もちろん、心の中で!)。
思わずつぶやいてしまったせいでシャークんに(シャークんは2回戦まで進んでいたが、きんときにやられて…もとい、殴られてしまった)けげんな顔をされた。
スマイル…笑顔の人はあながち間違いではなかった。
スマイルというわりにはスマイルしてないね。
でもきりやんがスマイル…くん?に話しかけると挑発でもされたのかニヤっと笑った。
ってことで準備だから、視点をきりやんに移すよ。はい、どーん。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。