ぷっと、無線が入る
と、ノイズ混じりに入る無線
通信環境とかは関係ない無線に入るノイズ
無線が壊れかけなのか
走っていてよく声が入っていないのか
壊れかけであれば…それはきっと先生がピンチだということにもなる
後者であってくれと思いながら思考を巡らせる
出した結果はこれだった
それはつまり、対応できるのが自分しか居ないということ
それを確信した瞬間、目の前が真っ暗になった
ドーパミンで隠せていただけの恐怖
ドーパミンで隠せていただけの痛み
ドーパミンで隠せていただけの多忙
そして、聞かないように、見ないようにしていた現場の惨状、悲鳴
そんな事を呟いた
こんな言葉を聞かれていたら患者の心が持たないことは分かりきっていた
医者という唯一の【希望】が【絶望】と言ったのだから
だが幸い、周りには人が居らず、誰にも聞こえていなかった
1人を除いて____
…伊波ライ
ここで会うのはまずい、とてもまずい
なんの拍子で変装がバレるか分からないから
爆風かもしれない、大きな水かもしれない
いつか、バレるかもしれない。
底知れない恐怖が出てきた
恐怖する必要は無いのに
バレたのはこの人達が悪い訳じゃないのに
俺を捕まえようとしている訳じゃないのに
俺がバレたら、先生がバレるかもしれない
先生がバレたら、俺がバレるかもしれない
バレたら、どうなるか分からない
先生は兎も角、俺は死ぬ
それが怖かった
たしかに、指揮は大体自チームの誰かがしている
司令を出すためや、死んでいないかの確認をする為とかそう言うのでも分かりはする
こっちの情報を伝えれる代わりにあっちの情報を貰うこともできる
実はそれが常にONで、集音機能の良いやつだったら全てダダ漏れという訳だ
先生の過去の話を聞いた後に先生から聞いた話が頭をよぎる
少しでも声を緩めたら終わる
先生の声も、何かしらな弾みで聞かれていたら終わる
確信のない恐怖
少しでも人を救って少しでも実績を作って少しでもヒーローから離れる
これが今出来ること
と、少し拙い日本語で言う
そして患者に駆け寄って手当をしていく
手当をしながら安全な危険区域外を目指す
そう、声を張る
ガヤガヤし始める
皆に希望が見えてきたのはいい事だ
みんな着いてきているか確認するために後ろを振り返った
そしたら…
倒壊した建物の付近に
『
氷室 黎
』
と、書かれた名札が落ちていた
そして、その名札には、血が、付いていた……
アンケート
___どんな手を使っても先生を助けますか?
はい
97%
いいえ
3%
投票数: 431票
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。