私は今日、婚約者と初めて顔を合わせる
昨日は10歳の誕生日会を開きたくさんの貴族の相手をして疲れたというのに…
____体が重い
こいつは専属執事の不破湊
もちろん後にヒロインにぞっこんになる
城では顔の良さから同僚のメイドにもてはやされ執事には目の敵に
マルガレーテの専属執事になったのもその顔の良さから
そんな彼を内面から褒めてくれたのはアイリスだけだった
湊は呼び名も大切な人にだけ” 姫 “にするって公式ファンブックに書いてあったのに……
お前のせいでもあるよ
fw side
姫は知らない
どれだけ俺が姫に救われてきたか
はじめは姫も他の人と大して変わらなかった
俺を専属執事に選んだ日、俺の方を見た姫の顔は顔がいい執事を得た高揚感、上に立った優越感、” 専属 “にした独占欲で満ちていた
でもある日から姫は変わった
顔もあまり見てこなくなり、無駄なスキンシップもなくなった
あんな嫌いだったはずなのに、離れられるチャンスが来たのに
” あなたから離れたくない “って思っている自分がいる
あなたに優しさをたくさんもらったからなのか、あなたの側が1番過ごしやすいからこんな気持ちに錯覚させられているのかわからない
でもあなたが俺にとって大切な人になってしまったのは変わらない
あぁ、そんな顔をして俺を遠ざけようとしないで
俺は気づいている
姫の耳が少し赤くなっていることも、姫は俺の言葉が嬉しかったことも
姫は皇子と婚約してしまう
今日は顔合わせの日
身分が全然違う姫にこの気持ちを伝えてしまえば今よりずっと遠くにいってしまうだろう
だからせめて、そばに居させてください
姫のそばにいれない世界なんて、想像できないから












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。