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第1話

 世界から色が消えた話 。
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2026/01/31 10:47 更新

______ 西暦23XX年。
その日は、ひどく静かな朝だった。


_@ _
 
……ねえ、知ってる?
_@ _
 
世界が終わりを迎えるんだって。

 
…………。


一人の少女は、廃校舎の屋上で空を見上げて呟いた。

彼女の瞳には、まだ鮮やかな「青」が映っていた。
けれど、その青はどこか毒々しく、滲んだインクの
ように空の端からじわりと腐食し始めている。


突如、街のどこかで、聞いたこともないような
美しい音色が響いた。

ハープの弦が弾け飛ぶような、悲鳴に近い旋律。
それが合図だった。


極彩色の蝶たちが、一斉に少女の周りを舞い上がる。
しかし、そのはねが触れた場所から、
色が砂のように崩れ落ちていく。


赤い林檎は灰色の石へ。
道端のひまわりは墨を流したような影へ。
 
_@ _
 
ああ、なんて美しい…
_@ _
 
……さようなら、私が愛した世界。


少女が指先を伸ばした瞬間、彼女自身の指先からも「色」が剥がれ落ちた。

魔法が解けるように、あるいは呪いが完成するように、音もなく色彩が死んでいく。
わずか数分のうちに、地平線の彼方までが
塗り潰された。
 

残されたのは、不気味なほどに静まり返った、
白と黒の死体のような世界。

少女は、色の消えた自分の手を眺め、薄く笑う。

_@ _
 
さあ、誰がこれを見つけてくれるのかな。


その呟きさえも、モノクロの霧の中に吸い込まれる
ようにして消えていってしまった。

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