次の日の早朝にあなたと永瀬と小林は代表して親父さんと姐さんの見送りに行っていた
笑顔であなたの肩を寄せて、あたかも婚約する時のような台詞を言った小林を親父さんは聞き逃さなかった
その場は姐さんがなだめて、二人はとうとう行ってしまった
その後三人は事務所へ帰り、各々の仕事へと戻った
その日の夜になり、そろそろ小林の家へ行く時刻になっていたが、あなたは部屋の中で動けないでいた
綾石に親父さん達がいない間小林の家に泊まることを伝えたのだが、その事を言った途端それなら自分の家へ泊まればいいと肩をくんで絡んできたのだ
綾石があなたにべったりくっついて離れないでいると、小林が扉を開けて中に入って来た
ガチャ
中に入って来たのは小林だった
一瞬綾石をギロリと睨んだかと思えば、直ぐに表情を戻してあなたに声をかけた
綾石から解放されたあなたは小林のもとへ駆け寄った
さっきまであんなに行かないでと粘っていた綾石が素直に離れた事を不思議に思ったあなただったが、次に小林がした行為によってそんな考えは吹き飛んだ
ちゅっ
名前を呼ばれて上を向こうとした瞬間、小林があなたの顎を掬い唇のすぐ隣にキスをした
途端にあなたは煙が出そうなくらい顔が真っ赤になり、頭が回らなくなってしまった
小林はその様子を見て、ニヤついた目を綾石の方に向けた
二人の様子を見ていた綾石は怪訝そうな顔をして、部屋から出ていった
小林はあなたの手を引っ張って、事務所を出ていった
事務所を出たあなたは、ふと疑問に思ったことを小林に聞いていた
小林があなたにヘルメットを投げ渡した
二人がヘルメットを装着し、バイクに乗った小林に続いてあなたがその後ろに座った
話を遮るようにして、バイクのエンジン音が鳴った











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!