第51話

pt,51
67
2022/04/11 08:15 更新
翌日
医者
医者
おはようございます
譲
あぁ、おはようございます
医者
医者
では、昨日と同じように
計っていきますね
譲
はい
医者
医者
手足が冷たいですね
譲
冷たい…
前も言ってましたね
医者
医者
えぇ。
医者
医者
それでは、
母
おはよう
父
おはよう
譲
おはようございます
母
先生は?
譲
今、出ましたよ
父
そうか
しばらく、談笑していると
桜
んっ、うぅ。
譲
桜ちゃん?
父
桜??
母
さ、桜?
桜
あぁ、みんな
来てくれたんだ
いつもより、か細い声だった
桜
お母さん、泣かないで。
父
桜、おきたのか
桜
わ、私ねもっと、生きたかった。
その場が、しんと静まり返る
桜
もっと、笑っていたかったの
桜
で、でもね
もう、無理みたい。
譲
そんなことないよ
桜
ううん。
もう、無理なの。
お父さん、お母さん、
今までありがとう。
桜
譲さん、ありがとう
桜の目から、涙が零れた。



その涙が、シーツに落ちる。


そよ風が吹く。


桜の花びらが、病室に入る。


桜の方に、花びらが乗る。


桜の呼吸が止まる。

その瞬間、桜の顔が、笑顔になった気がした。
譲
さ、桜?
母
桜…
父
お、おい、
何バカみたいなこと言ってんだよ
医者
医者
桜さん?
医者
医者
止まってますね。
医者
医者
10:時34分
岡山桜さんご臨終です。
母
え…
父
う、嘘
看護師
看護師
あ、すみません、
旦那様、
譲
はい?
看護師
看護師
これ、生前
桜さんが、旦那様に渡して
と言ってましたので。
そういって、渡されたものは、桜が毎日書いていたノートだった
譲
これをですか?
看護師
看護師
えぇ。
譲
あ、ありがとうございます
その日は、両親と共にノートを読んでは泣いて
の繰り返しだった。



お母さんは、現実を否定し続けていた

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