その頃。何者かが【想星】を手にした。
それは、薔薇と百合の紋章が浮かび上がり
赤、黒、白、水の入り交じる、濁った色になった。
それを見て、微笑む。
先の【想星】。それを見た彼女は納得した。
そして、何も言わずその場を後にした。
水、桃、緑、黄、紫。
雫、桜、葉、稲妻、綴利は何とも言えない形だが。
これをそれぞれ身に着けた彼ら。
彼らは、李酒嘩を救い出しに行くのであろうか?
それとも、戦略的に考え少しずつ潰していくのか?
今更ながらに、彼らは皆李酒嘩のサポートが
どれだけ心強かったか、気が付いたであろう。
果たして、彼女が【想星】を手にしたのなら、どうなるのだろう。
きっと、澄んでても濁っていたとしても美しい色となるに違いない。
青か、はたまた黒か、それとも透明のままなのか?
黒だったとしても、その中には希望の光沢が入り込んでいるだろうな~
今微かに、彼女の声がしたように思った。
振り返ってみるも、そこには誰もいなかった。
ただ、そこには一つだけの鈴と
ありったけの花を湛えたハナタバが堕ちていた。
誰も知らないだろう。皆が振り返った時に、
一つ残った【想星】が回収されていたことを。
【想星】に触れてみた。
主を認めると、それは6色混じったものになった。
その6色は勿論、水桃緑黄紫青である。
ただ、李酒嘩は最後の自分の記憶の形見として、【想星】を身に着けるのであった。
此の世界、実は【想星】でなくても
身に着けるようなタイプの守護があるんです。
それが、【願石】。これは夢の園で生成される石で、
全然希少ではない。その為、誰もがペンダントや指輪などにしてつけている。
【願石】は、生まれた時に家柄や能力から生み出された色で染められる。
家柄としては、大きく分けて王族、貴族、士族、市民、奴隷。
詳しく分けると、王族は王を経験したもの、正妃、皇太子、正妃の子、側室、側室の子 となる。
貴族は、公爵(臣籍降下した王族)、侯爵(有力な王の部下)、伯爵(その次に有力な者)、
子爵(公爵、侯爵の子ら、伯爵の次に有力な者)、男爵(地方に派遣された役人ら)
士族は、士爵のみ。
市民には上流市民、中流市民、下流市民、がいる。
奴隷には、由緒正しく代々家に仕える者と、金で雇われた者に分かれる。
王の玉座に座っていた者、座っている者はアメジストの様に紫で高貴なる色となる。
正妃は咲き誇る美しい桜のような桃色のものが、側室はさらと流れる水のような透水の色が。
皇太子は常闇のような深み紫の色、正妃の子らは淡い花の色を引きし淡紫の色。
側室の子らは空に広がる淡い空水の色が。
公爵には、栄誉を称える光の黄色が。侯爵は純真な心で使える白の色が。
伯爵は空を覆いいつか恵みをもたらす雲の灰色、子爵は白を支える透の色が。男爵は幸運を祈る葉の緑が。
士爵には、その情熱をもって突き進む炎の赤き色が、
市民は此処を照らす太陽の橙が上流から順に段々薄くなっていく。
奴隷は、由緒正しき者には落ち着いた温かみのある茶の色が、そうでないものは黒の色が。
「本当の色を。」













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!