第7話

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2025/08/29 13:04 更新








意を決して木箱を開けようと手をかけると

鍵がかかっているということもなく簡単に開いた





中に入っていたのは古めかしい折りたたまれた紙と

月が描かれた彩やかな鍔が入っていた

どちらも家で過ごしている時に見たことは無いため

尚更母の意図がよく分からなくなった





そしてそれと同時に、少しだけ期待をしていた私が

諦めと虚しさを抱えて奥底に消えたように感じた

まるで、これ以上期待するなと言わんばかりに

自分が傷付かないために、壁を作るように







甘露寺 蜜璃
   その紙は何なのかしら ?   
あなた
   かなり古びてますね   









まずはその紙だけを取り出し、目の前に広げる

とても綺麗な字で " 月の呼吸の継承について "

と初めに書かれていた







あなた
   月の呼吸 ?   
甘露寺 蜜璃
   初めて聞いた呼吸だわ !   
甘露寺 蜜璃
   どこから派生したのかしら ?   









どうやら師範も知らない呼吸のようで

このまま読み進めてもいいものかと躊躇うが

母が何故これを私に渡したかったのか

それを知る為にもまずは読んでみるべきだろう










あなた
   詳しい型が書かれてますね   







壱の型 《明月之珠めいげつのたま

弐の型《光風霽月こうふうせいげつ

参の型《皓月千里こうげつせんり

肆の型《嘯風弄月しょうふうろうげつ

伍の型《日月星辰じつげつせいしん

終の型《____________》














伍の型までは全てしっかり書かれているのに

終の型だけ文字がそこだけ抜き取られたかのように

読むことが出来なかった









甘露寺 蜜璃
   どうして終の型だけ   
読めないのかしら?
あなた
   もしかしたら、何か条件があるのかも   
甘露寺 蜜璃
   条件 ?   
あなた
   例えば 、伍の型まで習得出来たらとか   
あなた
   一定の領域に到達出来たら   
とかですかね
甘露寺 蜜璃
   なるほど… !   
あなた
   ただの憶測に過ぎないですけどね   







この紙からは独特の気配がした

今では忘れられた術がかけられているかのような

そう考えると終の型だけ文字が無いのも理解できる

もしかすると本当に " 抜き取られた " のだろうか







この紙には著名者の名前が記載されておらず

一体誰が書き、何故家に置いてあったのかは

依然として謎のままだった







あなた
   この鍔 、誰のなんですかね   
甘露寺 蜜璃
   月の呼吸を使っていた人のかしら ?   





にしてはどこにも傷は付いておらず

人が使ったような痕跡は見当たらなかった

まるで私のために用意されたのではと思うほど

この鍔に不思議と引き寄せられるように感じた





甘露寺 蜜璃
   あなたちゃん   
あなた
   はい   
甘露寺 蜜璃
   月の呼吸 、会得したい ?   





師範の言いたいことは表情から見て取れる

師範は月の呼吸の使い手ではないため、

会得するとしたら私一人でやるしかないのだ

どんな技なのか、どのような呼吸なのか

何一つ分からない状況で会得するなんて

不可能に近いことはよく分かっている






それでも、私は






あなた
   やります   
あなた
   やらせてください !   









その時ふいに思ってしまった

これは母が私に課せた試練なのではないだろうかと

私が父と母がくれたものを偽りだと証明するには

これしかないのだと本能的に思った







そんな身勝手で行うには些か難題な気もするが

暗く寂しいあの過去を捨て去るために

どんなことでもやってのけようと決心し

握った拳に再び力を込めた
















***


難しい言葉は知らないので型の名前は四字熟語にしました!


今回出すの遅くなって申し訳ないです😿



🪽🪄

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