【不破湊side】
あの後、スタッフ全員を問い詰めていった。
すると、複数人のスタッフ達が名乗りを上げた。
あの呟きももちさんを偽ってやっていたらしく、さらに脅しや暴行まで加えていたようだ。
彼らはワナワナと震えていた。
拳を固める人もいた。
膝から崩れ落ちる人もいた。
唇を噛む人もいた。
泣き出してしまう人もいた。
みんなが共通していたことは、誰もが目を鋭く光らせていたことと、顔を赤くしていることだった。
この人たちは、本当に気がついていなかったのか。
もはや怒りを通り越して呆れが出てくる。
みんなは顔を赤くも青くもした。
プルルルルルルルル!
みんなは黙ってうなずいた。
彼の病室は近づくと、もちさんの割れんばかりの叫び声がこだまする。
部屋の中に入ると、暴れているもちさんがいた。
両親やお医者さんが必死で腕を押さえている。
彼の言葉は、俺たちにグサリと刺さった。
彼はこちらをギロリと睨んだ。
その目は涙でいっぱいで、奥にはナイフのような鋭い光が輝いていた。
涙を流しながら訴えるその姿は、今まで見たことがなかった。
彼はプツリと糸の切れた人形のように、ベッドへ倒れこんでいった。
その目からは涙が流れており、表情も歪んでいた。
俺らは両親に顔向けできなかった。





















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。