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第1話

人工天使は伊藤ふみやの夢を見るか?
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2025/08/27 17:05 更新
ガラス張りの向こう、ずっと自分を見てくる存在がいる。
板を片手に持ち何やら話しかけてくる存在は、人間の男と言う存在らしい。
男は自身を『伊藤』と名乗った。

伊藤は生まれた頃から"ソトノソンザイ"に見られていた。
周りから理解を得られなかった伊藤は、一人で"ソトノソンザイ"に立ち向かう為に俺を作ったと話してくれた。
"ソトノソンザイ"と言うのは、今も俺を見ているあの目のことなのだろうか。
俺が生まれた理由はあの目を倒すことなのだろうか。

伊藤は毎日話しかけてきた、自分のことや、好きなもの、嫌いなもの、なんでも教えてくれた。
話し相手がいなかった反動か、伊藤の口数が減ることはなかった。

だからか、動かなくなった時寂しさを感じた。
原因はわからない、ただ痩せ細っていた。
俺は伊藤の体を取り込む、液体で出来た羽で。
すると伊藤の頭の中を初めて見れた。
同時に"ソトノソンザイ"への恐怖も伝わった。
俺は"ソトノソンザイ"へ立ち向かうことにした。

それには、まだ、力が足りない。
伊藤を取り込むと次元を理解し別の次元に行けたように、他に"ソトノソンザイ"を認識する者を取り込めば、別の伊藤を取り込めば力が貰えるのかもしれない。
伊藤ふみや
…なに。
目の前にいる男が本を読みながら気怠げにそう返す。
彼が別の世界の伊藤なら、彼も"ソトノソンザイ"を認識できるものなのだろう。
彼が"ソトノソンザイ"に話しかける日まで、俺は待つ。

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