高校生活のことは忘れられない。
1度きりの高校生活であるから、ということもあるのかもしれないけれど。
それは遠い夢のようで、でもつい最近のことのようで、鮮明な記憶が蘇ってくる。
「 ふふ、楽しかったな……みんな元気にしてるのかな 」
『 あなた、仕事中だよ?何笑ってるのよー(笑) 』
ふと、思い出して、仕事中であることも忘れて笑みをこぼしてしまった。
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『 いやーまさか北川第一のセッターがうちにね 』
『 でも絶対生意気っすよ、そいつ 』
『 またおまえ、誰彼構わず威嚇するのやめろよー(笑) 』
『 そ、そんなことしませんよ…… 』
『 というか、あなたさんと一緒じゃないんすね、先輩方 』
『 …あぁ、まぁ、 』
『 また告白だな、多分 』
『 えぇ!?またっすか!? 』
話題の中心になっている女の子。甘城あなた。
彼女は今、告白されている真っ只中であった。
ぱっちりとした目、鼻筋が通って形の良い唇の、甘く、整った顔立ち。
バランスの良いスタイルに、サラサラとした艶のある髪、白く透き通った肌。
それはそれは、女子は憧れ、男子が好みそうな容姿である。
そんな容姿でありつつも、明るく人懐っこく、愛嬌もある。
今まで告白された数も数え切れないほどだ。
ある時は一目惚れ、ある時は学校内でも有名なイケメンに、ある時は…。
さっきも言ったが、そんな彼女は今、まさにまた告白されている。
まさにモテるのである。
『 あなたちゃんのことずっと可愛いなって思ってて、それに明るく話しかけてくれるところとか誰に対しても優しいところも、好きです 俺と付き合ってくれませんか? 』
甘城あなたに告白している男子、中川遥斗。
クラスの中でもムードメーカーで、顔も性格も良くサッカー部のキャプテン。
1年の頃から甘城とも楽しく話してたため、本人も周りの友人たちも いけるんじゃないか と思われていた
…が。
「 …えと、ありがとう、でもごめんなさい 」
甘城は彼からの好意を断ったのである。
『 …そうだよな、時間とってごめんな 』
「 ううん、こちらこそごめんね 」
「 こんなこと言うのも って思うかもしれないけど、遥斗くんと話すの楽しいからこれからも仲良くしてくれたら嬉しいです、ほんとにありがとう 」
『 うん、こちらこそ 』
「 じゃあわたし部活、行くね 」
『 遥斗どんまい…! 』『 中川でも甘城さん無理か〜 』
ごめんなさい!!!
彼らの方を横目で見ながら、心のなかで精一杯の謝罪を繰り返す。
あそこまで仲の良かった彼を振ってしまって申し訳ない気持ちはもちろんある。
だけど、どうしても友達という意識が強くて、恋人になること に対して自分の中での拒絶があった。
考えていたってしょうがない、一旦切りかえて部活に行こう。
.
烏野高校排球部の活動場所である第2体育館。
どうやら、シューズとボールの音が聞こえるのでもう練習は始まっているのだろう。
そこには見慣れないオレンジ頭の子と、黒髪の子。
新入部員…だろうか?
なぜ体育館に入らないのか疑問だが、通してもらおう。
『 目の前にコートもボールもあるのに、お預けはひどいよ… 』
『 くそっ…!こんなことしてる時間はない!! 』
「 …あの! 」
『『 …? 』』
「 えと、体育館入りたくて通してもらえるかな? 」
『 あ、さーせん 』『 はっ…はい! 』
菅原「 あーあなた!遅いぞー 」
澤村「 おぉ、あなたか、お疲れ 」
「 ごめん、遅くなりました! 」
菅原「 ん、それ持つから貸して 」
「 あ、ありがとう 」
田中「 おぉスガさんすげぇ、ナチュラルだ 」
私が入って来たことに気づいてすぐに駆け寄ってくる、孝支。
そしてサラッと荷物を持ってくれる。
友達情報によると、孝支は結構モテるらしい。
爽やかだし、優しいし、勉強できるし、かっこいい。
今みたいな感じで気も利くし。
菅原「 え、なに俺の顔なんかついてる? 」
「 ううん!なんでもない 」
「 あ、そういえば体育館の外にいた2人って…? 」
菅原「 あぁ、あの二人は… 」
新しい風が、吹いてくるような気がした。
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♡ 甘城 あなた
♡ 学校
烏野高校 3年4組
♡ 部活
排球部マネージャー
♡ 身長体重
157cm , 45kg (高校3年4月現在)
♡ 誕生日
12月4日
♡ 好物
栗とさつまいも(とくにスイーツ)
♡ 最近の悩み
好物の旬の季節まで待てそうになくて甘いもの食べまくってること。(=太ること)
一応、アンケートの時に作っておいた設定貼っておきます
こんな感じの女の子になるかなぁと。
♡ 追加設定
どちらかと言うと色々気にしちゃって慌てちゃうタイプ
頼れるし敏腕マネだけどそういうのがあるから、試合の時自分はコートに入ったらだめだと思ってる(選手より慌てそうだから)
甘えるのも上手だし甘やかすことも上手
わりと恋に夢見てる













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!