第8話

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2024/07/06 21:00





🫧
お待たせ~!!
🍭
おかえり。行こっか。
🫧
ゆーくん、食べる?2個買ってきたよ!
🍭
いいの?ありがと!
 
  そう言ってゆうくんに渡したのは、

  昔ながらのキャンディー。


  味は、ゆうくんが好きだった味。


  そして私は、たまごボーロを食べる。
 
🍭
ん……美味し…
🫧
………………たまごボーロ、美味しい。
🍭
………あ、あなた。着いたよ。
🫧
ほんとだ……、ゆーくんは日陰で待ってて!
私はお墓参り行ってくるね、!
🍭
はぁい。






🫧
………………ぁ……、
 
  ゆうくんのお墓には、先客が居た。
 
💤
………………………、
 
  思わず立ち止まる。

  この姿でくにくんの前に立てない、から。
 
💤
………………誰……、?
 
  くにくんが言った。
 
💤
………………君はなんでここに居るの。
🫧
………こんにちは、くにさん。
💤
………………ここに何の用?
 
  くにくんの目には、涙が浮かんでいた。

  ………ゆうくん、人のこと泣かせちゃ駄目でしょ。
 
🫧
………色々とありまして。
💤
変なおせっかいとかなら辞めて。
ゆさんのことなんか何も知らないくせに。
🫧
……………………………私の意思ですよ。
ゆうくんに、手を合わせたくて。
 
  勝手に口が動く。

  バレちゃいけないのに。

  バレたら駄目なのに。


  あなたとして、言葉を発してしまう。
 
🫧
辛いよね。まさか、ゆうくんがなんて。
今日は命日でしょ。手ぐらい合わせさせて。
💤
………………っ…あんたに何が……、!!
🫧
………くにくん。本当に辛いのは分かるよ。
💤
………………は…、?
🫧
………………泣かないで。
皆が居るから大丈夫だよ。
 
  幼い頃のように、優しく抱きしめる。
 
💤
………………あなた……、?
💤
っねぇ……、!!あなたなの…?!?!
🫧
………………くにくん、これあげる。
これでもう泣かないでね。
 
  くにくんに差し出したのは、オレンジジュース。

  くにくんは駄菓子屋でいつもこれを買っていた。
 
💤
………………あなた……なんでしょ…、?!
🫧
ゆうくんのお墓に、手を合わせさせてね。
 
  くにくんの横を通り過ぎて、

  ゆうくんのお墓にも飴を供える。
 
🫧
………………………、






💤
………ねぇ、あなた…、!!
💤
あなたでしょっ…?!そうって言って…、!!
🫧
………………覚えててくれてありがとう。
 
  バレちゃったけど、

  私からはバラしていない。


  掟は破ってない。
 
💤
…っ……あなたっ…、!!!(抱
💤
あ、あいっ……会いたかった…、!!
🫧
………………皆、大きくなってたねぇ…。
くにくんは、昔から泣き虫だねぇ…
💤
だ、だって……あなたっ…、!!
💤
あなたがっ……、!!!
💤
あなたっ………死んじゃったのに…っ…、!!
なん、なんでっ……ここにいるのっ…、?!
🫧
ん………取り敢えず、ここ出よーよ。
私、このままだと人待たせちゃうからさ。





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