第2話

このマスコットは可愛くないような気がする。
20
2024/02/21 00:49
   
 ほとんどのゲームは「始めるだけなら無料だけど愉快にゲームを進める為には現金が必要不可欠」だ、その点「魔法少女育成計画は」は無課金だ、ゲーム内のアイテムはゲーム内のイベントやゲーム内の通貨のみでしか手に入れることができず、つまりゲーム内のすべてが完結していた。学校でゲームの話をしている男女を見て、楽しそうに話してるな、なんて思いながら見ていたつもりだが、実際はゲームが気になっていた瑠璃、「魔法少女育成計画」をやってみると、これは面白い、
アバター…プレイヤーの分身となるキャラクターを自身でデザインし、ゲームスタート。人助けクエストや戦闘クエストをクリアして魔法カードやアイテムカードを集め、キャラクターを強化し、より難しいクエストに、そり強い敵に挑んでいく。瑠璃がするクエストは人助けの方が多い、瑠璃はせめてゲームの中くらい人を助けを頑張ろうと思っている、だがたまに気分が変わった時、戦闘クエストをした、やってみると、かなり面白くハマった、ゲームをはじめてから、一週間半で変化が起こった、画面内でふわふわと動いているだけだったマスコットキャラクター「ファヴ」が話しかけてきた。
『おめでとうぽん!あなたは本物の魔法少女に選ばれたぽん!』
「なにかのイベントかな?」
なにかしらのイベントが起きるのかと思い、画面を連打していると、突然画面が強く発光し、瑠璃は眩い光に包まれ、気がつけば魔法少女になっていた。
瑠璃自身が、瑠璃のアバターである魔法少女「りる」になっていたのだ。瑠璃は慌てて部屋の隅っこにある全身鏡を見た、間違いなく魔法少女「りる」になっていた、
「雨宮瑠璃、貴方は今日から魔法少女として活躍するぽん!」
「魔法…少女…!」
とんっと軽く床を蹴ると、天井に全身をぶつけてしまった、
「あ、言い忘れてたけど、魔法少女になると非常識なまでに身体能力がアップするぽん、気をつけるぽん」
「わ、わかった…」
ふと思ったことがあるので、ファヴに聞いてみる
「私の魔法ってなにかな」
そう、魔法少女なのだから、魔法はないと困る
「りるの魔法は、ものすごくラッキーだよ!ぽん」
「ラッキー?」
「幸運ってことぽん」
「へー」
「どうしたぽん?」
「なんか地味」
「文句言うなぽん、ほら、さっさと人助けしてこいぽん」
可愛い顔のくせに、何故か可愛く思えないのは私だけだろうか。

プリ小説オーディオドラマ