気がつくと、私は何やら白い大きなベッドに寝かされていた。周りはレースが掛かっていて、その外からは複数の話し声が聞こえてくる
音を立てないように逃げようとしたけれど、お腹周りに紐がくくられてベッドに結ばれていた
その時
ベッドにかかっていたレースがシャッと勢いよく開けられた
この2人だ…私があの時最後に聞いた声
その後ろに見えるのは、ガタイがいい男の人や派手な服装の人…少なくとも5人はいる
さっき北人…と呼ばれた男の人が柔らかい笑顔で告げた。ふわふわした雰囲気なのに、なんかものすごいオーラを感じる
それに関しては壱馬って人も同じ
なんなの…この人たち
普通じゃない
すると壱馬はベッドに上がり込んで私の後頭部に手を回した
近くから香る香水の匂いに頭がくらくらして、魔法にかけられたように体が動かない
精一杯抵抗したものの、壱馬は聞く耳も持たずキスしてきてそのまま押し倒された
その時、玄関を開ける音がして誰かが部屋に入ってきた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!