第3話

魔法の石
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2022/10/03 09:15 更新
ルア・リヴァン
ルア・リヴァン
魔法の石……?
 ルアは訳がわからなくて小さくつぶやいた。
 すると、イオリがキッとルアを睨んだ。
イオリ・バーレ
イオリ・バーレ
まさか、知らないのか?
 これは、貴族なら常識中の常識、知らないなんてことはないはず。
 
 ルアはイオリに睨まれてビクッとした。
ルア・リヴァン
ルア・リヴァン
いや! 違う! 知ってる! 知ってるけどなんでそこが繋がるかわかんないんだよ!!
 魔法の石と書いて、”ミラクル・ストーン”と読む。
 ベラノの力の源のような石。
 宗教みたいな役割も担っている。
 で、その魔法の石は、洞窟にあるんだけど、その洞窟の場所は、ある一族のみが知るらしい。
 その一族の名も知らないけどね。

 でも、ヒントはある。
 その一族は、庶民にはふさわしくない強い力を持つ。
 魔法がとても強いとか、足がめちゃくちゃ速いとか、怪力とか。
 攻撃面でものすごく特化しているのだという。
 しかし、王族には属しない。
 庶民に隠れてひっそりと生きている。
 でも、洞窟を見つけ出し、そこに強力なお祈りをすれば、魔力が高められるのだそう。


 でも……これをアサガが狙うの?
 場所もわからないのに?

 あ、もしかしてアサガがこっちにはない情報掴んでるとか!?
イオリ・バーレ
イオリ・バーレ
彼らが狙っているのは、その石だ。
機械は、ただの一度のチャンスだ。
輸入した機械が壊れたから、タイミングができた。
 それを聞いた私は、何個か疑問をもったので、聞いた。
リアネ・アイシーラ
リアネ・アイシーラ
え、なんでタイミング待つ必要があるの?
なんで石狙うわけ?
イオリ・バーレ
イオリ・バーレ
彼らは、こっそり盗もうとしているんだろう。おそらく、邪魔をさせられたくないんだ。
そして、石を狙う理由は、魔力だろうな。
 それに、ルアがなるほどと言うふうに深く頷いた。
ルア・リヴァン
ルア・リヴァン
そうだね。魔力があれば世界服とかできるもんね。
 べマレが軽く頷く。
べマレ・リマ
べマレ・リマ
あぁ。野望を持っている人間はどこにでもいる。
それに、ベラノが魔法の石で得をしたことも少なくないからな。妬む気持ちもわからないではない。
 そうだよね。
 私も、「これから世界征服していいよ」って言われたら喜んで征服する。
 この世の嫌なことを変えれるから。この世を自分が好きな世界にできる。
 アサガにこの魔法の石があったとすれば、私も「ベラノにあればなぁ」って思う。
リアネ・アイシーラ
リアネ・アイシーラ
でも、これからの課題は魔法の石をどうするかだよね。
 私が言うと、王様は驚いたようにちょっと眉を上げた。
王様
王様
え? 魔法の石の力使って殺せばいいんじゃないの?
 べマレは呆れて片手で顔を覆った。
べマレ・リマ
べマレ・リマ
いや、それバチが当たるとか思わないんスか。自分が死ぬかもしれないですよ。
 本当にこんなのが王様で務まるのか…
 私は王様に呆れながら言った。
リアネ・アイシーラ
リアネ・アイシーラ
そうですよ。魔法の石は、あると言うことしか知らないんですから。
それ以外謎に包まれてるんです。無謀に利用してはなりません。
 そこで、ルアが閃いたらしく、生き生きと話した。
ルア・リヴァン
ルア・リヴァン
えっ、じゃあその一族に頼めばいいじゃん。探してさ。
無謀じゃないでしょ?
リアネ・アイシーラ
リアネ・アイシーラ
それは確かにいいかもしんないけどさ………
 でも、いるかもわからないその一族にかけるのは…ちょっと……
 すると、王様がポンと手を打った。
王様
王様
よし、こうしよう。君たちにその一族を探してもらうよ!
ルアもそう言ってるしね。
 ………は?
べマレ・リマ
べマレ・リマ
え、今? 俺たちが?
 べマレが遠慮がちに聞く。
王様
王様
あぁ! 善は急げ、だよっ!
べマレ・リマ
べマレ・リマ
…………
 拳を握ってキラキラと顔を輝せる王様。
 唖然とする私たち。

 いや、善は急げはともかく、なんで私たちなんだよ……
 普通に兵士とかでいいだろ……
 ってか専門のやついるだろ、探し狩人さがしかりうどが……
ルア・リヴァン
ルア・リヴァン
…じゃあ急がば回れっていうのは知らないんですか………
 それは確かにそうだな……
 すると、ギィっとドアノブが回る音がした。
 扉が古いから、木の音がするのだ。
 
 驚いて心臓がドクンと跳ねた。
 振り返ると、そこにいたのは、ガタイがいい大男だ。
 顔も渋い感じ。
 ベラノの勲章をつけているので、ベラノ人で、かなり上の位だろうけど……
王様
王様
お、ウラン。来たか。
ウラン・ラエリ
ウラン・ラエリ
はい。エル殿。
 ウランと呼ばれる大男はツカツカとこちらに歩み寄ってきた。
 なんだか、少し怖い。

 王様は、状況が飲み込めず、呆然としたままの私たちに向かって言った。
王様
王様
この人は、ウラン・ラエリ。教育官だよ。
 教育官というのは、兵士を育てる、いわゆる先生やコーチのようなものだとお母様から聞いたことがある。
 でも、そんな教育官はただの一般庶民の一つの職業。極める人は王様とは一般庶民よりかは近い存在になるが、なぜ王様とこんなにも親しい……?
ウラン・ラエリ
ウラン・ラエリ
どうも初めまして。ウラン・ラエリでございます。ゼルバジアの街で、ゼルバジア国立魔法術練習場で働いております。以後お見知り置きを。
べマレ・リマ
べマレ・リマ
あ………はい、よろしくお願いします。
 唖然としていたべマレだったが、ハッと気づいて、丁寧に挨拶をした。

 その後に私たちが続く。
イオリ・バーレ
イオリ・バーレ
よろしくお願いします。
ルア・リヴァン
ルア・リヴァン
よ、よろしくお願いいたします。
リアネ・アイシーラ
リアネ・アイシーラ
え…あ、はい。よろしくお願いします。
 私は驚きを隠せなかった。

 なぜなら、今、私たちが話をしているのは、扉の管理人も知っているはず。
 普通、誰かが話しているところに他人は入れない。
 「少々お待ちください」との指示が入る。
 その指示を破ろうとして、扉を開けようとしてもロックがかかっていて、どんな魔法でも開けることができない。

 では…なぜウランさんは入れたのだろう?

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