ルアは訳がわからなくて小さくつぶやいた。
すると、イオリがキッとルアを睨んだ。
これは、貴族なら常識中の常識、知らないなんてことはないはず。
ルアはイオリに睨まれてビクッとした。
魔法の石と書いて、”ミラクル・ストーン”と読む。
ベラノの力の源のような石。
宗教みたいな役割も担っている。
で、その魔法の石は、洞窟にあるんだけど、その洞窟の場所は、ある一族のみが知るらしい。
その一族の名も知らないけどね。
でも、ヒントはある。
その一族は、庶民にはふさわしくない強い力を持つ。
魔法がとても強いとか、足がめちゃくちゃ速いとか、怪力とか。
攻撃面でものすごく特化しているのだという。
しかし、王族には属しない。
庶民に隠れてひっそりと生きている。
でも、洞窟を見つけ出し、そこに強力なお祈りをすれば、魔力が高められるのだそう。
でも……これをアサガが狙うの?
場所もわからないのに?
あ、もしかしてアサガがこっちにはない情報掴んでるとか!?
それを聞いた私は、何個か疑問をもったので、聞いた。
それに、ルアがなるほどと言うふうに深く頷いた。
べマレが軽く頷く。
そうだよね。
私も、「これから世界征服していいよ」って言われたら喜んで征服する。
この世の嫌なことを変えれるから。この世を自分が好きな世界にできる。
アサガにこの魔法の石があったとすれば、私も「ベラノにあればなぁ」って思う。
私が言うと、王様は驚いたようにちょっと眉を上げた。
べマレは呆れて片手で顔を覆った。
本当にこんなのが王様で務まるのか…
私は王様に呆れながら言った。
そこで、ルアが閃いたらしく、生き生きと話した。
でも、いるかもわからないその一族にかけるのは…ちょっと……
すると、王様がポンと手を打った。
………は?
べマレが遠慮がちに聞く。
拳を握ってキラキラと顔を輝せる王様。
唖然とする私たち。
いや、善は急げはともかく、なんで私たちなんだよ……
普通に兵士とかでいいだろ……
ってか専門のやついるだろ、探し狩人が……
それは確かにそうだな……
すると、ギィっとドアノブが回る音がした。
扉が古いから、木の音がするのだ。
驚いて心臓がドクンと跳ねた。
振り返ると、そこにいたのは、ガタイがいい大男だ。
顔も渋い感じ。
ベラノの勲章をつけているので、ベラノ人で、かなり上の位だろうけど……
ウランと呼ばれる大男はツカツカとこちらに歩み寄ってきた。
なんだか、少し怖い。
王様は、状況が飲み込めず、呆然としたままの私たちに向かって言った。
教育官というのは、兵士を育てる、いわゆる先生やコーチのようなものだとお母様から聞いたことがある。
でも、そんな教育官はただの一般庶民の一つの職業。極める人は王様とは一般庶民よりかは近い存在になるが、なぜ王様とこんなにも親しい……?
唖然としていたべマレだったが、ハッと気づいて、丁寧に挨拶をした。
その後に私たちが続く。
私は驚きを隠せなかった。
なぜなら、今、私たちが話をしているのは、扉の管理人も知っているはず。
普通、誰かが話しているところに他人は入れない。
「少々お待ちください」との指示が入る。
その指示を破ろうとして、扉を開けようとしてもロックがかかっていて、どんな魔法でも開けることができない。
では…なぜウランさんは入れたのだろう?


















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!